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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第14章 束の間の いとま


カリカリと部屋の隅に置かれていた木箱を
爪で引っかく音が聞こえて
炭治郎と杏寿郎がそちらへ目を向けた

「出してやるといい。
丁度、君の妹の話をしていた所だ」

そう杏寿郎に言われて
炭治郎が部屋の隅に置かれている木箱を開くと


「禰󠄀豆子、いいぞ」

中からヒョコっと禰󠄀豆子が顔を覗かせて
いつもと違う景色だったので
室内をキョロキョロと見まわしていた

禰󠄀豆子の方へ杏寿郎が手を伸ばして

「竈門妹、おいで。君も、こっちに来るといい」

自分の事を言われたのかと認識して
禰󠄀豆子が恐る恐る杏寿郎に近づいて来る

すぐ近くまで 禰󠄀豆子が来て
その頭に杏寿郎が手を乗せた

「君にも、礼を言わねばならないな。竈門妹!
あの列車の乗客を守り抜けたのは、
君のお陰でもあるからな!
鬼殺隊の炎柱として、礼を言うぞ!ありがとう」

「むんっ!!」

よしよしと杏寿郎に頭を撫でられて
禰󠄀豆子がうっとりとした表情を浮かべていた

「良かったなぁ、禰󠄀豆子」

禰󠄀豆子が何かを探しているようにして
キョロキョロと周囲を見回していた
知らない所に居たから
キョロキョロしてたんじゃなくて

「んー!ん!むーーぅ」

炭治郎の袖を引いて
それから自分の髪の毛を持って
持ち上げて見せた

「炭治郎。禰󠄀豆子ちゃんは、あげはさんを
探してるんじゃないかな?いっつも、
禰󠄀豆子ちゃんの髪の毛、あげはさんが
結ってくれてたでしょ?」

「ごめんなぁ。禰󠄀豆子、あげはさんは
ここには今は居ないんだ。今日はお兄ちゃんが……」

「竈門少年!もし、
君と君の妹さえ良ければ……俺が結ってやろう」

杏寿郎からの意外な申し出に
炭治郎は面食らってしまって
即答で返事が返せなかった

「え。煉獄さんが……ですか?」
「俺はいつも、自分の髪を結っているが?」

問題でもあるのかと言いたげに
杏寿郎が言った
確かにそう言われて見ると

煉獄さんの後ろの部分の上の方だけ
束ねられているのは 確かだけども

「どうだ?俺でもいいだろうか?」

杏寿郎の問いかけに禰󠄀豆子が頷いた
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