第14章 束の間の いとま
あげはさんの耳に血気術を使ってた鬼が
鬼になったのは あげはさんを鬼にする為?
「その鬼は、あげはの婚約者だった男だ」
あげはさんの婚約者が……鬼に?
「え?婚約者?
……婚約してたんだったら、どうして?」
「あげると、番になるって約束してたんだろ?
なんで、鬼になったりすんだよ?」
結婚をする 約束をしていたのなら
わざわざ鬼になる必要なんて
ないのでは…… と彼らは考えたのだろう
そうだろうな それが普通の人間の考え方だ
でも 彼は 三上 透真は
そうは思わなかった
「そして、彼は……元、鬼殺隊士」
杏寿郎の言葉に3人は驚きを隠せない様子だった
それもそうだ 本来鬼殺隊は鬼を殲滅する事を
目的としているのだ
どうして 鬼殺隊士が 鬼に
「そんな、鬼殺隊士が……どうして鬼に?」
「それは彼にしか、分かり得ない事。
そして、彼は柱だった」
柱? 煉獄さんや冨岡さんと同じ
柱だった?
「ええー?だったら、尚更、
どうして、鬼になんかなるのさ?どういう事?」
鬼殺隊が鬼になるだけでも 信じられないが
その上 柱だった人が 鬼になるなんて
その鬼はそれほどまでに……
「柱としての、立場や築いた物の全ても。
彼には全て、…不要だったのだろうな」
それ程に その人は
あげはさんの事を
愛してしまっていたって事なのか?
でも 俺には全然理解できない
愛って言うのは
もっと お互いの気持ちを尊重し合って
支え合ったりする物なんじゃ……
今の 煉獄さんとあげはさんみたいに……
それこそ
「うえぇ、気持ち悪いやつだなぁ。
只の変態じゃん、そいつ」
善逸が吐き気でも催したようにしながら
独り言の様に言った
「紋逸。お前も気持ち悪ぃけど、
そいつよりはマシだな!」
「悪かったな!俺が、気持ち悪くてっ!
お前、その言い方は酷くない?伊之助っ!」
2人がギャアギャアと言い合いになってしまって
炭治郎がすいませんと杏寿郎に謝った
「恐らく、推測でしかないが……。
その鬼の力、上弦と同等……と見ていいだろう」
杏寿郎のその言葉に
三人が固唾を飲んだ