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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第1章 序章


ひらり ひらり 1匹の蝶が 
杏寿郎の前を飛んでいく
ひらり ひらり 1匹じゃない 
無数の蝶が飛び交う中に人影が見える

「君、もう体は大丈夫なの?」

この声 もしや
あの夜に鬼を切って
俺を救ってくれた女性は 
この人だったのか

あの時は顔が見えなかったが 
こうして明るい所で見ると

天女か 妖精か 
何かなのかと思うほどに 
可愛らしく 美しい

「…ーーーーーたい」 
彼の発した言葉が聞き取れず
「ん?なぁに?」
と耳を寄せようと近づいた
ガシッと両手を少年に握りしめられて
大きな目で見つめられる

「先日は命を救ってくださり、
ありがとうございました!礼を言いたい!」
「いいよ、そんなの。お礼なんて。
君が無事だったから、それでいいの」

しかし 少年は握ったままの
私の手を解放してくれる様子はなく

「俺と、結婚して頂きたい!!鏡柱様!」

え?何?どう言うこと? 
いきなりこの子何を言ってるの?
「け、結婚って、何をまた、そんな急に
…君はまだ子供だし、それに」
「急ではない!俺は先日、
貴女に命を救われた!
今の俺の命があるのは、
貴女があの場に居たからこその事!
この恩を返したいと考えているので、
結婚して頂きたいのです」

助けたお礼に結婚って
昔話とかにありそうだけど

それって普通 逆じゃないかな?
助けてもらった女の子が
男の子と結婚するんじゃ…

『あははははは。君、面白い子だなぁ、
今年入った子?』

後ろから笑い声がして振り返ると 
1人の男が立っていた
穏やかな笑顔を浮かべているが 
その笑顔の奥が氷のように冷たい

笑っているように見えるが 
腹の底が見えない
それに かなりの手練れだ 
相当の使い手と見受けられる

『残念だけど、彼女はダメだよ?
彼女はね、僕の婚約者だからね』
ごめんねっと言って男が笑って
彼女の体を自分の方へ引き寄せる
そう言う事だからと
男は彼女を伴って行ってしまった

女性の方は
杏寿郎のことが気になっている様子で
ちらっとそちらの方を見ていて
それに気づいた男性が声を掛けた

「あげはは、彼が気になるの?」
「気になるって言うか、あの子…似てるから」
「似てるって、同じ顔してるじゃん!
彼、…炎柱さんとこの息子さんでしょ?」
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