第14章 束の間の いとま
「煉獄さんの心は、その時からずっと、
……あげはちゃんだけだったんだもの」
「い、今となったら…反省してる……後悔も」
「それは、もっと早く、
煉獄さんと付き合ってたらって事?」
蜜璃の言葉にあげはが頷いた
彼には何度も求婚されたし
自分を受け入れて欲しいと言われてたのに
私は 過去にばかり囚われてしまっていて
差し出された手を 取る事も 拒んでた
でも 今 後悔しても仕方ないのに……
そうしてたら もっと早く
こんな遠回りをしなくても
彼の気持ちに応えられていて
もっと早く
全てに決着がついていたのかも知れない
もっと 早く
「でも、いいじゃない?」
「え?」
「例え、遅くなっちゃったとしても。
ちゃんと、気が付いたんだから」
そう言って笑う 蜜璃の笑顔が
私の後悔を 少し和らげてくれたのは
言うまでもない 事実だった
「ねぇ、蜜璃ちゃん」
「ん?なぁに?あげはちゃん」
「蜜璃ちゃんが、
お友達で良かったなって思ってた所」
「もう。何それ、
そんなの当たり前じゃないの!
私も、あげはちゃんが、
お友達で良かったもの、ね?」
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炭治郎達が 炎屋敷に着くと
屋敷の使用人が久しぶりの主に帰還に
総出で出迎えてくれた
「しばらく留守にしてしまって、
すまなかったな!戻ったぞ。
この3人は、俺の継子達だ……今日から
この3人も、ここで面倒を見る事になった」
「はい、かしこまりました。炎柱様」
使用人が深く炭治郎達に向かって
頭を下げた
「俺も、随分長く療養していたからな。
体が訛っているだろうからな…
まだ、夕飯まで時間もある、早速始めよう!」
「えええーー!もう、今からすんの?訓練?
ここまで走って来たのに?」
今から 稽古を始めようと言う杏寿郎の言葉に
善逸が不満を漏らす
「何を言ってるんだ、善逸!せっかく煉獄さんが、
稽古を付けてくれるんだぞ?駄目じゃないか」
「おう!上等じゃねぇか!やろーぜ!!」
伊之助は今回はほとんど無傷で
任務にもすぐに復帰していた
あの戦いを目の当たりにしていたのだ
伊之助はあの煉獄さんに稽古を付けて貰えるのに
かなり期待をしているようだった