第14章 束の間の いとま
杏寿郎がそんな事するとか意外過ぎて
蜜璃にも理解が出来ずにいて
「ええぇえええーーっ!!
あ、あの、煉獄さんがっ!?バラの花束を?」
杏寿郎からバラの花束を受け取った時の
話を蜜璃にすると 蜜璃からしても
信じられなかったようで
半信半疑な顔をしていた
蜜璃は道場の端っこで
床に手を付いたままで固まってしまった
よっぽど 自分の知っている
煉獄杏寿郎のイメージと
かけ離れている行動に驚いている様だ
蜜璃ちゃん 面白いな……
「煉獄さんって、ロマンチストだったのね。
意外だわ!でもそんな煉獄さんも、
素敵っ!!」
その日は修行はそれぐらいにして
大体 壱の型はほとんどそれらしくなったので
明日はもっと仕上げて行こうと思う
蜜璃と一緒にお夕飯を食べて
一緒にお風呂に入って
必要な物はある程度持って来てたんだけど
蜜璃がお揃いのパジャマを着てほしいと
強請られてしまって 半場押し切られて
蜜璃と同じデザインの
色違いのパジャマを着てるんだけども
どうにもフリルが多くて
私には可愛らしい過ぎる感じがして
そわそわとして落ち着かない
「ちょっと、年齢的に無理があるんじゃ……」
蜜璃みたいな若い
まだ二十歳前のお嬢さんには合うが
私の様な23の女が着ていい物なのだろうか?
「ええ?そんな事ないわ!
とっても、素敵だもの」
「そ、そう?」
ふたつ並べて敷いた布団に入るが
当然蜜璃が恋の話をしたがる訳で
「ねぇ、あげはちゃん」
「どうしたの?蜜璃ちゃん」
「どうして、
煉獄さんとお付き合いする事にしたの?」
「お付き合いって言うか、
結婚する感じになってるけどね」
「でも、でも、煉獄さんからの求婚は
お断りしてたんでしょ?私、煉獄さんから
聞いたもの。何度も求婚したって」
「いや、冗談か何かなのかなって
思ってた所もあってね?最初に杏寿郎さんに、
求婚された時は、まだ透真が
生きてる時だったし。その後に
求婚されたのは、透真がいなくなって
程ない頃だったし」
「あらら、それは、受ける受けない
以前の問題よね?でもそれでも、
煉獄さんだから、言わずに
居れなかったんでしょうけども」
言わずには居られなかった……か