第3章 琥珀糖の
次の日 あげはが仕事から帰ると
すみ・きよ・なほの3人が出迎えてくれた
手土産を3人に渡すと
いそいそと喜んでお茶を
淹れに走って行った
大量の洗濯物のパジャマを
抱えていたアオイが
「いつも、すいません。
全く…、あの3人は…」
とあげはに頭を下げた
「いいよいいよ。アオイちゃんも
少し休もうよ、所であの3人の方は?
どうしてるの?」
あげはの言うあの3人とは
炭治郎・善逸・伊之助の3人の事だ
「少し遅れは取っていますが、
今は3人で訓練に
参加するまでにはなりました」
「そう、それは良かった良かった」
「そう言えば、
しのぶ様が戻られたら、顔を出して
欲しいと、仰っていましたが」
「うん、ありがとう。
…ちょっと行ってくる」
コンコン
しのぶの部屋のドアをノックする
「あげはさんですか?どうぞ」
と中からしのぶの声が返ってきたので
ガチャ ドアを開いて中に入った
しのぶの部屋には
藤の花の香りが満ちている
「ただいま。しのぶちゃん」
「お帰りなさい。あげはさん。
いつもながら、
無傷の様で安心しました」
カタン 徐に机の引き出しを引いて
中から筒状の包みをとり出すと
あげはに向かって差し出してきた
「ん?これは?」
何?と言いたげにあげはが尋ねる
「煉獄さんからのお礼ですよ、
先日は世話になったと、
仰っていましたよ」
「あ、ああ。あの時のお礼…かぁ」
しのぶの視線が気になる
部屋に持ち帰って開けようかと
思っていたんだけど
しのぶも包みの中が
気になっている様で
「それより、中味なんなんです?」
と尋ねてきた
シュルッー 包みを留めていた
細いリボンを解いて
包みを開くと中には瓶が入っていた