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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第13章 湯治編 小さな蜜月 ※R-18


「…もう少しばかり」
あげはが声を
小さくして言ったので耳を寄せた
「杏寿郎が、もうちょっとばっかり、
慎んでくれたら…もっと幸せだけど?こうも
抱かれて…ばかりなのは、ちょっと」

暗に回数が多すぎると指摘されてしまったか
彼女が普段も
呼び捨ててくれるようになったのは
喜ばしい限りだが
俺としては
あまりこの状況は喜ばしくはないが

「君を愛したいと思う、
俺の気持ちに限りはないぞ?」
「私が受け止め切れる、
杏寿郎の愛には限りがありますからね?」

拳でこめかみの辺りを
あげはにグリグリとされてしまう
「おいっ!君は俺を、
子供扱いしすぎだぞ?酷すぎるんじゃないか?」
「それは、杏寿郎が私を苛めるから
悪いんですーっだ。でも、まぁ…幸せ…
ですよ。杏寿郎」

さっきまで拗ねた顔をしてたのに
彼の顔が明るくなって

「そうか!そう言ってもらえると俺も嬉しい!」

そう言って満面の笑みを浮かべた
痛いくらいに強い力で抱きしめられて
息ができないくらいになるが
その苦しさすらも 愛おしいと思うから

「杏寿郎…」
「どうした?苦しかったか?」
「ううん、違うの…あのね」


「私ね、…好きよ。
杏寿郎…貴方が…好き」

「ああ、あげは。
俺も君が好きだ!いや、違うか」

好きと返してもらって
嬉しいと思ったのも束の間
言った言葉を否定されてしまった

「好きなんかじゃ…足りないな。
俺は君を…愛してるぞ!!あげは」

ひっそりと囁くような愛の言葉じゃなくて
すごく力強く言い切られてしまって
何とも彼らしいと思ってしまえて
思わず笑ってしまった

「ぷっ、ふふっ、あはは…、杏寿郎ったら」
「言い方が悪かったか?なぜ笑うんだ?
あげは…、君からは…、言ってくれないのか?」

「杏寿郎。…私も、貴方の事を…」


彼にその言葉を求められて
自分の気持ちを伝えようとした時
突然右耳に激痛を覚えて

「痛っ、たぁ…!う゛っ…ん」
「あげは?どうした?」

痛い 痛みに弱い方じゃないのにっ
痛い 何なの?この痛み 
自分が今まで感じたことの無いような
激しい 痛み
それも 耳だけじゃない
頭までズキズキと割れそうな痛みがする



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