第13章 湯治編 小さな蜜月 ※R-18
捏ねるようにされてそこばかりいじられると
自分の中が
蜜で溢れて滲んで来るのが分かる
杏寿郎さんは
口付けする時も確認して来るから
きっと今も確認したい
気持ちなんだと思うけど
さっき確認しなくていいって
言ったから困ってるのかな?
首筋から鎖骨や肩に落とされる口付けは
胸の辺りにもされるけど その部分ではないし
「いいですよ?」
聞いて居ないのに許可されてしまった
とでも言いたげな
変な顔をして杏寿郎さんが
私の顔を見て居たので
「したいようにしてもらっても…、
いいですよ。
あまり強くなりすぎなければ…」
「もし、痛いと思ったら…言ってもらえるか?」
猶予は与えないと言った割に
随分と気を遣ってもらっているのが分かる
真っ直ぐな
杏寿郎さんらしいと言えばらしいのだが
舌先で転がされて舐められると
もちろん声が出てしまうし
更に下が疼いて熱くなる訳で
「んっ、あっ、ん゛、はぁんっ!
杏寿…郎さんっ」
ここは感じ易い部分だそうだから
彼女にとってもそうなのかも知れないな
聞いて居て 気が付いたことがあるが
彼女の嬌声が耳について
嫌な気分にならない理由が
なんとなく……わかった気がする
良くも悪くも嘘がないからだ
媚びてないからだ
そこにあるのは
ただ感じるままの声だからだ
快いふりをしてる訳でもなく
気を遣るふりをする訳でもなく
それ以上の
快楽を貪りたいと思ってる訳でもない
感じるままに漏れる 声だからだ
「感じてる…のか?」
俺の言葉に彼女が顔を染める
「わ、んっ、かってる…くせにっ…あっ、んっ」
「気持ちいい…か?」
低い声で囁かれるとドキッと胸が跳ねる
ハァと彼の熱い吐息が耳に掛かる
「杏寿…郎っさんっ、にっ…あんっ、
触られて…良くないわけ…ない、…からっ」
「ん?それは違うだろう?俺が聞いているのは…」
「きっ、…気持ち…いい…ですっ…、
あん、うっ、あ、とてもっ、やぁあんっ!」
胸の先を弄られながら
股に太ももを擦り付けられて
押し当てられると
さっきの時よりも大きな波に襲われる
「嫌なら…やめるが?」
「あ、うっ、あ、ハァ、意地悪っ…」
「なら、やめよう」