第13章 湯治編 小さな蜜月 ※R-18
「ダメは…いいと言う意味だと…
言うらしいが?君は…吉原にそのまま
売られていたら、吉原一の遊女に
なれたかも知れんな?口惜しいが、男はみんな
君に夢中になるだろうから……な」
「へ?」
どうして今そんな話をするのか
わからないけど…
「お言葉ですがっ、
わ、…私は遊女には向いてませんよ…?
気を遣るのは…、遊女の恥ですから…ふっ」
「そうか、それはいい事を聞いた。君をそう
したのは、彼だと言う事実は腑に落ちないが。
君の言葉の通りならば、君は簡単に気を遣ると
言う事になるが?」
激しい口付けを交わしながら
あげはの大腿の根元の
更に奥に自分の大腿を押し付ける
「確かめてみても?」
低く左の耳に囁かれると
ゾワゾワと背中の辺りが泡立つ
腰が僅かに跳ねるのであげはの腰を掴んで
押し当てるように引き寄せると
「あぁああっんんっ!っ…ハァ…、ハァ」
今まで聞いたことのない声で鳴いて
呼吸を乱したので
「全集中の呼吸が…乱れてるぞ?」
と若干の嫌味を込めて耳打ちすると…
「ん、やだっ、言わな…ぃでっ…あっ…」
ズルズルとその場に
崩れそうになった体を支えられて
「腰に来たか?」と低く囁かれる
上り口の所に座らされて
履いていた履き物を脱がされると
再び唇を塞がれて
そのまま居間の畳の上に倒される
いや 確かに
一刻の猶予も与えないとは言ってたけど
このまま ここで……?なのだろうか?
浴衣の上から胸の上に 手を当てられて
ゆっくりとした手つきで揉まれる
信じられない程 そっとだ
こんな時に そっとは卑怯だ
でも でも ここはダメ
だって ここ電気ついてるから 明るすぎる
「あんっ、はぁ、ダメです、ん゛っ、
杏寿郎さんっ、ここは…」
「むっ、どうしてだ?下が痛いか?」
「んっ、ち、違いますって…、ここは、あっ、
明るすぎっ、るっ、…からぁあんっ…ダメぇ」
「明るい方がいいんじゃないのか?」
と杏寿郎が真剣な表情をして尋ねてきて
「やっ、ダメに決まってるじゃないですか!」
ハッキリと否定されて心外だった
「どうしてだ?俺は君の顔も体も良く
見えるしその方がいいが?…ああ、もしや」