第3章 琥珀糖の
でもでも だからってこんな素敵な
煉獄さんからの求婚を断るだなんて…
はっ!もしや…
その上 他の男性にも
言い寄られているなんて
実はまさか…
煉獄さん悪い女の人に騙されてるんじゃ…
ガタン 蜜璃が急に立ち上がって
グッと拳を握りしめて振るわせる
「煉獄さんっ!ダメです、
私が言うのもなんですが、
もしかして、その女の人は、
…悪い女…なのでは?」
俺がその女性に騙されていると
思ったのか
甘露寺に心配をかけてしまった様だ
「俺の記憶が確かなら、
君とも知った仲だったようにあるが?」
「そんな人!
私の知り合いに居ません!!」
失礼な事を言われたのかと思ってか
蜜璃が声を大きくして言った
言ってから…思い当たる人物が1人
浮かんで来て
「あっ」と声を上げた
もしかしてだけど…
しのぶちゃんがよく知ってる人で
婚約者を亡くしてる 人で…
それで 私とも知った仲…って…
もしかして……
「もう一度聞くが、君から見て
彼女は、悪い女性…に見えるか?」
カァーーッと蜜璃が顔を真っ赤にして
すごい勢いで首を振って否定する
「ま、まさか!ぜ、全然!!
悪い所か、良いです!!
それも、とても。女の私から見ても、
可愛くて素敵だし!とっても
優しい女の子だと思います!」
成人してる年上の女性に
女の子と言うのもアレかも知れないが
甘露寺らしい 表現だなと
杏寿郎は思った
「そうか。それを聞いて、安心した」
「あ、あのー。煉獄さん」
「どうした?」
「まだ、勘違いしていたら
恥ずかしいので、お尋ねするのですが…
煉獄さんの気になっている女性って…あのー」
「ああ、あげはの事だ」
杏寿郎の口から
ハッキリと良く知った友人の名が出てきて
蜜璃が安心した様に言った
「それなら、私に任せて下さい!
あげはちゃんの、好きそうな物なら
わかりますから!」
いいお店を知っていると甘露寺が言った
「そうか、助かる。恩に着るぞ甘露寺!
君に相談して良かった!」
そう言って杏寿郎は笑った
「私も、良かったです」
「ん?何がだ?」
「私も、ずっと…見てて辛かったので。
やっぱりお友達には
幸せになって欲しいもの…。
煉獄さんなら、安心ですし。
お任せできますから…」
「俺は随分、君に高く
買われている様だな!善処しよう!」