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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第12章 湯治編 刀鍛冶の里にて


媒体となる物が残ればと思ったが
その痕跡も残さない…か

彼は4年の間に
血気術も相当に研磨している訳か

彼と会話をしながら
影の中にある媒介を探っていたが
鬼の気配こそ ほんの少し感じるものの

彼女の耳のそれと同様の血気術なのだろうが
有益な情報を得るにも足りなかったか……

彼の残した言葉を
自分の中で整理する

なるほど
次の満月なら肋骨の骨折も治癒する頃だ

あくまでその辺りは
剣士としての礼儀が彼にあるのか

そして俺の話を聞いて
俺が彼女と
文字通りの深い仲になるのを待つ
必要はないと判断したわけか…

俺と彼女の精神的な結びつきが
十分にそれに値すると
彼が感じるに足りたと言う事か


そして…彼には何か秘策があるな
あの恐ろしいほどの落ち着きよう
鬼殺隊史上最強の水柱とまで
呼ばれた男だけの事はある

彼が負け戦を
決め込むつもりがないのはわかった

あの遠距離でも精度の高い影を作る能力
あの影が本体の側でなら
十分戦える能力をも付与できるかもしれん

彼は1人で来るだろうが
1人の戦力ではないと考えた方がいいな

問題は何体 影の同時の保有できるのか…と
その影の戦闘能力がどれ程の物なのかと
それを操ってる間も
本体が動けるのかと言うことか


ーーーーーーーーー

その頃あげはは湯上がり所で
冷茶を飲みながら読書をしていた

不意に背後に突然気配が現れて
いや気配は無かった 感じられなかった
背後を取られるなんて

「やあ、あげは。こんな所で読書かい?
休息に来ているのに、勉強熱心だね」

この声…は 透真?
どうして彼が ここに?こんな所に居るの?

「さっき、彼と話をして来たよ?」

スッと後ろから
抱きすくめられて気がついた

これは実体じゃないって
まるで 触れられているのに
触れられている感覚がまるで ないのだ

「もう4年になるんだね、僕の可愛いあげは」

彼の指が愛おしそうに私の髪を掬い上げる
首筋には彼の付けた赤い跡があって

「あの時、僕が言った言葉。忘れちゃったの?
遅くなるかもしれないけど、
必ず迎えに行くって言ったでしょ?」
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