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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第12章 湯治編 刀鍛冶の里にて



「何故、彼女にそのような事を言った!
それが事実でないのであれば、何故?
彼女はそれをもう何年も負い目にして
生きて来たと言うのに……。目的は何だ!」

そうだ 
それは今も彼女を苦しめている
12歳の頃から ずっと
今になっても 彼女の中で
深い傷となり 
負い目になっていると言うのに

「だって困るでしょ?彼女は僕の物に
ならなきゃいけなかったんだから」

自分が傷物なのだと 告げられて
疑う事もなくそれを信じて

自分は誰かと
添い遂げる事も出来ないのだと
誰かと結ばれる未来すら
彼女は諦めていたのに

全部 全てが 嘘だったのか
偽りだった……のか

コイツが全て
自分の望みを叶える為だけに仕組んだ

計画だった……と言う訳か

彼女が望んで

鬼殺隊となり


自分の所に来て

彼と親しくなり


彼女が自ら望んで

自分の物になる様に……


それまで 誰の物にも
ならないようにする為か?


「初めて彼女を見た時、僕は思ったんだ。
すっごく綺麗な目をした子だなぁって。
澄み切っていて、何も疑う事も知らない…
真っ白で、まっさらで…綺麗な子だなって」


「まさか!まさか…貴様!」

彼女から全てを奪ったのは 
鬼なんかではなくて
他の何者でもない
彼女がずっと 絶対だと信じて来た

彼自身だったのか…?


許されるものではない
許せる 訳がない

体の奥底から沸き起こるかの様な
激しい憤りを杏寿郎は感じていた

「邪魔だったんだよ、アイツ。
あの、白い髪のアイツ。アイツが
いなくなっちゃえばいいのにって」

そう言って 笑った 
どこまでも冷たい笑顔で

あの悲劇は…
起こされた 悲劇だった 彼の為に

彼にとって邪魔になる
あげはが淡い恋心を抱いていた
あの アルビノの少年を殺すために

そして 彼女があの病院を出て
鬼殺隊へ入る事を
自ら 選択をさせる ために


全て 仕込まれて……たのか? 彼に


叶うのであれば

今すぐにでも この場で
この男を切り伏せて やりたい


「次の満月の夜に行くから。
…楽しみにしてるね」

そう言って微笑むと
彼の影は消えてしまった


消えた

彼の消えた跡には
水が残ってるだけだった

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