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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第12章 湯治編 刀鍛冶の里にて


それはそうだ
それは水の呼吸の隊士の刀だ
俺には使えない

「俺の知っている中に、それを振るに
相応しい剣士がいる。貴方がそれを
譲れないのなら、貸して頂きたい!」
「貸す?何をするつもりだ?」

貸して貰いたいと言う杏寿郎の言葉に
鉄友が眉を顰めた

「勿論、彼を討つ為だ」

「討つ?」

「三上透真…だった物…をな」

ザァッと風が2人の間を吹き抜けて行く
鉄友は自分の手にある
日輪刀を目を細めて眺める

このまま自分の手元にあっても
何の役にも立たない
刀は斬ってこそ
その価値が賞賛される物なのだ
飾る為に打った訳ではない

そしてこれはただの刀ではない
日輪刀なのだ 鬼を斬るための刀

「その剣士について…聞きたい」

俺の返答次第では貸してくれる
…と言うわけか

「その剣士は、現在の水柱…冨岡義勇。
努力を積み重ねる事のできる男だ、
剣の才覚もある。それに…彼は元継子だ、
三上透真の。鬼となり下がった彼の剣士と
しての血脈は…彼に受け継がれていると
思うがな!」

“冨岡 義勇“

彼の…“三上 透真“の血脈を継ぐ者
確かに彼の血脈を継いでいるのなら
これを振るう剣士として 不足はないだろう

「貴方にとっても、悪い話では無いはずだ」

「そうだな、悪い話ではない」

「貴方は、冨岡の為に刀を打つのは
…難しいか?まぁ、これだけの
大業物を打てる技巧を、
眠らせておくのは実に惜しいと思ってな」

また刀を打って欲しいと言われたのは
何度もある
だがこの目の前の男の言葉は
偽りの無いせいか
心地良く芯に届いてくる

日輪刀には鬼を滅ぼすと言う思いが
念にも近いそれが込められている
“悪鬼滅殺”その四文字を刀身に刻むのは
柱のみに許されているのもの
確かにこの刀を振るえるのは 水柱のみ…
その青く染まった刀身と
悪鬼滅殺の文字がそう語っていた

「名前は?」

「冨岡義勇だ」


「そうじゃない、お前の…名前は?」

「俺は鬼殺隊、炎柱、煉獄杏寿郎だ」


鉄友が自分の手にあった
刀を杏寿郎に差し出した


「杏寿郎、これを…冨岡義勇に」

「ああ。確かに。預かった」


杏寿郎が差し出された刀を受け取った



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