第3章 琥珀糖の
ある日 任務を終えた蜜璃は
相談したいことがあると
杏寿郎に頼まれて
待ち合わせの場所に来ていた
指定された場所は いつかの甘味処で
待っている間に好きな物を
注文して食べていていいと
言われていたので
店の人にとりあえずの桜餅
50個を注文し
杏寿郎が到着するのを待った
しばらくして 蜜璃の注文した桜餅が
大皿に山盛りになって運ばれて来る
「わぁ〜、美味しそうだわ!
いっただきまぁーす。はむっ」
モグモグと桜餅を咀嚼する
「ん〜、おいし。ほっぺが
落ちちゃいそうだわぁ」
ぱくぱくと山の様になっている桜餅を
どんどん平らげていく
「あのー。すいませぇーん!
もう30個追加、お願いします~」
口の中に広がる桜の葉の香りと
しょっぱい塩気と 中のあんこの甘さが
相まって 最高だわぁー
でもでも 煉獄さんの相談したい事って
一体なんなのかしら?気になるわ
「もしかして、前に話をした気になる
女性と、何かあったのかしら?あぁーん、
こっちが気になってしまうわぁ〜」
桜餅を食べながらも
蜜璃の妄想は止まらない
「あー、でもでも。一体どんな感じの
人なのかしら?煉獄さんがハキハキした
感じの人だから、大人しい物静かな感じの
人なのかも?それとも、似た物同士で
ハキハキした人なのかしら?」
どっちにしろ
あの素敵な煉獄さんが
見染めた女性なんだから
素敵な女性に違いないわよね
「すまない、甘露寺。待たせてしまったか?」
急いで来たのか
少し杏寿郎の息が上がっていた
「いえいえ、そんな!
私も、今、来たところですので!」
「今来た所の割には、
随分少なくなっている様にあるが?」
80個の桜餅の残量から考えて
15分程待たせてしまっていたか
「その、美味しくって、つい…」
「気にするな!もっと食べるか?
待たせてしまった、
詫びだ。食べるといい!」
杏寿郎のもっと食べていいの言葉に
蜜璃の顔がパァッと明るくなる
「え、でもそんな、…いいんですか?」
「主人!この店にある桜餅を、全て貰おう!!」
あぁ 煉獄さんったら
なんて男らしくて素敵なのかしら?
キュンキュンしちゃうわぁ〜
いや ダメよ 蜜璃!
私は煉獄さんの恋を応援するんだから!