第11章 バラと琥珀糖
「好みの形のを、作ったりできるみたいですね」
「ああ、その様だが。それがどうかしたか?」
「だったら…、杏寿郎さんの鍔の形も
作ってもらえるかもですね」
「ああ、あまり複雑な形状でなければ
可能だろうが…」
どうしてあげはは
俺の刀の鍔を模した
琥珀糖に興味があるのか…
「だったら、大きめの物を、平たい箱に
二つ並べて入れてもらったら、丁度いい感じに
なりそうですね。かなり細やかな色の再現も
できそうですし…。必要な個数の概算と、
納期の相談でもしておかれますか?」
必要な個数と納期と言われて
杏寿郎にあげはの
言わんとしてる事が理解できて
「おお、そうか!それもそうだな。
日持ちもするし、引き出物にはピッタリだな!」
店員とその形状で製作はできるか
数は用意できるのか等を相談し
あげはは蝶屋敷への土産に可愛らしい蝶の形の
詰め合わせを購入して店を後にした
2人でデートを済ませて蝶屋敷へ帰って来たが
かと言っていつまでもここに居るのもな
ここまで回復して来ているし
蝶屋敷にいつまでも世話になってるのも
気が引けると杏寿郎が考えていると
「考え事ですか?煉獄さん」
「胡蝶か、いつまでも君の屋敷に世話になるのも
申し訳ないからな、…そろそろ俺は
炎屋敷に帰るか思案していた所だ」
「普段の煉獄さんなら、もうお戻りでしょうね」
しのぶに痛いところを突かれてしまって
「確かに、君の言う通りだな、だが…」
「あげはさんから、離れ難いとお考えで?」
「君の許しがあれば、
…彼女を炎屋敷へ連れ帰りたいのだが?」
あげはを炎屋敷へ連れて帰りたい
あまりにもストレートに言われてしまって
しのぶが閉口してしまった
「胡蝶?」
「あ、いえ、すいませんっ、あまりにも
包み隠す感じがなさすぎて、
…深読みもできませんでした」
「深い意味は全くないが?
俺が彼女と居たいから連れ帰りたいだけだ」
「正式にご婚約されたのでしたら、
お連れして戻られてもいいのでは?」
「いいのか?胡蝶」
「私が、どうこう言う事でもないのでは?
お二人の問題ですし、…私は構いません」
ガシッと両手を杏寿郎に掴まれて
しのぶがどう反応していいか困惑していると