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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第2章 私は彼を知らない


近くに居た 1体の鬼が 
立ち所に6体に分裂する

「むっ、血気術か…、
分裂か、厄介だな」

7体の鬼が居たのではなく 
1体の鬼が7体になっていたのか
1体減っている事から察するに 
何体か倒せば
最終的に1体になるのかも知れないが…

考えを巡らせている時に
チラリと彼女の方を一瞥する
表情に変化はない
心の揺らぎも感じられない
この状況にて この冷静さ
この胆力…相当のもの
「君はこの状況、どう見ている?」
彼女の見解を確かめるべく
杏寿郎は声をかけた

その表情から察するに
この状況を危惧してる訳でもないだろう
「どうって?」
何か問題でもあるのかと
言いたげに答えた
「あまり何度も分裂されると、
厄介だぞ?」
「それが、どうかしましたか?」
「え、いや…」
「じゃあ、みんな斬ったらいいですよ」
あまりにもあっけらかんと
言われてしまって
返答を返せずにいると

「…だから、6体同時に
斬ればいいんです!」
俺に意味が通じなかったと思ったのか
言い直されてしまった
「いや、確かにそれは…そうなのだが」

簡単に言って退けたが
簡単な事ではないぞ?
間伐を入れずに6連撃する
必要があるのだから

ースゥウウウウ 
シィイイイイイー
何だ?この聞いた事のない
呼吸の音は?
いや…違う 聞いた事があるな 
水の呼吸と雷の呼吸を
同時にしているのか?
よもや その様な事が
できようとは…
あげはの体を
取り囲んでいる水の渦が
バチバチと音を立てて放電し始める

「水雷の呼吸 流流成雷!!」
流れる水の動きのままで
放電しながら
次々に鬼の頸を薙いでいく
薙いでも その流れは
留まる事なく 流れて行く
洗練された動き…芸術的ですらある

ー美しいーな

ふわり と羽のような
重さのない物のように
ゆったりとした動きで着地する

「君は変わった呼吸を使うのだな、
初見だ」
「初めて?水の呼吸と、
雷の呼吸ですけど?」
「それに、その様な色をした
日輪刀も初めて見た」
あげはの手に握られている
日輪刀は七色に輝いていて
その輝きに鏡面の様に
こちらが映っていた

「なるほど、美しい色だな!」
そう言って 笑った
その笑顔にいつか見た
先代の炎柱の姿が重なる

ああ やはり
よく似ているな 彼は
槇寿郎様に 似てる
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