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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第11章 バラと琥珀糖


東京駅の近くに来て一度 馬車を降りると
しのぶへの手土産に大和屋で生姜の佃煮を
数種類購入し それから2人で昼食を摂った

他にも寄りたい所があると
言っていた杏寿郎が
馬車で待っていてくれと言ったので

私は馬車の中で
時間があった時に読もうと思って
しのぶちゃんに借りていた医学の本を
読んで待つことにした
借りたものの そんなに時間を持て余す事も
なかったから全然読めてないのだけども

四半刻強…程 待っただろうか?
杏寿郎が戻って来た

「あげは。待たせてしまって、
申し訳ないな」
「いえ、そんなには待ってませんよ」
本に視線を向けていたあげはが
声をかけられて顔を上げようとしと時

目の前が真っ赤な何かでいっぱいになった
焦点が定まらず ぼんやりと赤い物が
目の前にあったのは分かったが

焦点が定まって来て
鼻を満たすバラの芳香で
それが真っ赤なバラの花束だと気がついた

「君の好きな色を聞いて、いなかったので
赤にしたが、赤いバラは好きだろうか?」

そう言って杏寿郎が尋ねて来た
杏寿郎の髪の色に赤いバラの花束は
とても良く色味が
マッチしていて映えていた

「とても、良くお似合いですね」
と言ってあげはが笑った

「いや、俺に似合っても仕方ないがな
受け取ってもらえると、ありがたいのだが?」

「ありがとう…ございます」

自分に向けて差し出された
大きなバラの花束にあげはが手を伸ばした

バラの花束を
受け取った事がない訳ではないが

この人の性格を表すかのような
大胆なボリュームの花束だ

「それにしても、随分…たくさんですね」
「そうか?多い方がいいと思ってな、
何本だと思う?」

ざっと花束のボリュームから考えても
100はありそうだけど…

「100本…くらいですか?」
「惜しいな、そこには…107本ある」

107本?
それはまた随分と中途半端な数だな…

「どうして、107本なんです?
100本でも…」

と話して引っかかった事がある

昔 蜜璃ちゃんに
バラの花束の話を聞いた事がある
確か 本数によって意味が…あった気がする
107本のバラには
どんな意味があったかな?
そうあげはが考えを巡らせていると


「君に俺が、贈りたかったのは…
107本のバラではなくて…」





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