第10章 追憶 煉獄家にて
「でしたら、東京駅の辺りでお昼にしますか?
どうせ予定より遅くなるんですし、慌てて
帰る必要もないですし。いいですよ。
寄り道しても」
「そうか、他にも寄りたい場所が
あったからな、助かる」
寄りたい場所があると言われて
何か必要な物でも買うつもりなのかと
そうさして気にも留めていなかった
「あげは、手を
見せてもらってもいいだろうか?」
と向かいの席に座っていた杏寿郎に言われて
「どっちですか?右?左?…両方?」
よく分からないが
両手を杏寿郎に見せるように
差し出すと 両手に自分の手を添えて
まじまじと見つめられて
益々 何がなんなのか
よく分からなくなってしまった
手なんか見て…どうしたんだろう?
「あの、杏寿郎さん?」
いつまでこのままで居たらいいのか
分からずにあげはが杏寿郎に声を掛けた
「うむ、すまないな。もういいぞ!」
あげはの手に添えていた手を
杏寿郎が開放して そう言った
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前後に分けた 煉獄家編もこれで
終わりです。
ここの先から お話が大きく
動き始める感じになりますが。
お付き合い頂ければ、幸いです。