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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第82章 集いし 炎屋敷



千寿郎がそう言いながら
小さな風呂敷包みを2つ
杏寿郎とあげはの
それぞれの前に置いて来た

「あの…、千寿郎君…開けて…みても?」

「ええ。勿論です、姉上。
中身に破損が無いか…、
姉上の目で確認して貰えませんか?」

「私の目で…、確認をすれば…良いの?」

千寿郎と杏寿郎に見守られながら
シュル…っとあげはが包みの風呂敷を解くと

中から桐の箱が出て来る

その桐の箱を開くと

その中に入っていたのは

蝶の絵柄が入ったガラスの風鈴で

「風鈴…?凄い…、可愛らしい絵柄の…。
これを…槇寿郎様が…私に?」

「そうか…風鈴。
あげは…風鈴の音色には
魔除けの効果があるからな。
父上は…俺達の無事を…願う気持ちを
この風鈴に託してくれたのだな…?千寿郎」

「はい、…私も…
そうだと…思っております。
父上は…そのあまり、
口では素直に…自分の
お気持ちを表されないので…」

その…千寿郎の言葉を聞いて
あげはは…今の煉獄家は…
ちゃんと…家族として…成り立っているのだと
あるべき姿になったのだと…
しみじみと…噛みしめる様に感じて居て

思わず…零れてしまいそうだった涙を
ぐっと堪えて 押し留めていた

「千寿郎…、
帰ったら父上に伝えてくれるか?
俺もあげはも…しっかりと、父上の
贈り物と、お気持ちを受け取ったとな」

ゴソゴソと千寿郎が自分の懐を弄ると

何か…小さなものを2つ…目の前に置いて

「これは…私から…兄上と姉上に…、
お渡しする機会を…
逃したままになっておりまして。
どうした物かと…思っていたのですが…」

その小さなものに目を凝らすと
それは小さな小さなカエルの置物だった

「わぁ、可愛いらしいカエルの置物…」

「そうだな、
中々に愛嬌のある顔をしてるな。
そうか…千寿郎…、父上は…
お前のこのカエルの事を…、大凡
望月辺りから聞いていたんだろうな…」


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