第82章 集いし 炎屋敷
宇髄と千寿郎と望月が乗った馬車が
炎屋敷の前に止まった
既に不死川と冨岡は玄関の前に居て
馬車の後ろからはしのぶと蜜璃が来ていて
炭治郎 善逸 伊之助の3人がその後ろから
少し早足になりながら こちらへ合流して来て
ガラガラガラッっと勢い良く玄関が開くと
炎屋敷の主である
煉獄杏寿郎が皆の前に姿を現す
「おはよう。
良く来てくれたな、皆。
皆も気付いている通り、
この辺り一帯は
朝から鬼殺隊によって
人払いされているから。
今夜は気兼ねなく、
自分達の力を振るってくれて良いぞ?
…っと、こんな所で立話も…なんだ…、
お茶を用意させよう、入ってくれ」
「煉獄、茶…飲むんだったらよォ
土産だァ…コレ…食えやァ」
杏寿郎に不死川が声を掛けて来て
「むっ、手土産か?不死川」
「ああ、峠にある団子屋のだァ…、
頼んで用意して貰ったんだ。
ここの名物はエビ団子らしいんだが…、
おはぎも美味ぇし。それに、
桜餅も…旨いみてぇだからなァ…」
エビ団子が名物の峠の団子屋…と言う
不死川の言葉に杏寿郎とあげはが
お互いの顔を見合わせてしまった
自分達の記憶の中で
あの団子屋しか思い浮かばなかったからだ
「ねぇ、不死川さん…だっ…け?
そのお団子屋さんってさ、
いすゞちゃんって
名前の看板娘が居るお団子屋さん?」
「んぁ、紋逸ッ、
あのめっちゃうめぇえ
団子屋のことかぁ?あのエビの団子のッ」
善逸の言葉で伊之助も思い出した様で
そう伊之助も善逸に続いて言って来る
「では…杏寿郎様。この望月も、
こちらのお手伝いをさせて頂きましても?」
宇髄の影になっていて
その後ろに居る望月と千寿郎の姿が
杏寿郎には見えて居なかったのだが
聞き慣れた声が聞こえて来て
その存在を杏寿郎も把握する事が出来た