第81章 その琥珀糖はまるで
「炭治郎…、お前ぇええッ
本当に、お前ってやつはぁあっ、
本当に、いい奴だなぁ」
そう言ってバシバシと隣に居た
善逸に背中を遠慮なく叩かれてしまって
お目当ての鏡を小間物屋で購入して
そのまま小間物屋を後にした
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水屋敷
まだ…夜が明けて少しした頃
義勇の姿は井戸の所にあった
白装束にその身を包んで
井戸の水を頭からバシャーっと被ると
ボタボタと自分の髪から雫が垂れ落ちて来る
その垂れ落ちる雫を気に掛ける事もなく
桶に次の水を汲むと
同じ様に頭から水を被った
ついに…今日が…来てしまった…
今は静かな…何事もない朝だと言うのに
今…昇って来た この日が落ちれば…
俺は…師範であった 三上透真と…
刃を交える事になる…のだ…
あげはからは…今日までに…と
仕上げる様に言われていた課題があった…
その方法は…前に師範に…
尋ねた事があったから
俺は…やり方は…知っていたが…
それが出来る…には至って居なかった
だが…あげはが使っている
あの…呼吸についてを
知恵として授けられた 呼吸を製錬して
練り上げて精度を高める呼吸法だ
一度により深い…全集中の呼吸が出来る…
胡蝶には…短時間でその呼吸を仕様して
使い続けるのは止めて置けと言われた
それをするぐらいなら…呼吸を練るのを…
僅かにだけ全集中の常中に…加えてはどうかと
そう…胡蝶から提案された
これは…胡蝶が俺に言ったのではなくて
あげはが…前に
何かの時に言っていたから…だと
そう胡蝶が言っていたが…不死川に
前に出会って話をした時に不死川には
別の修行法を勧めていたらしいので…
それぞれの呼吸のクセに合わせた…鍛錬方法を
胡蝶は提案したのだろう…