第81章 その琥珀糖はまるで
「そうですねぇ、
まだ…時間には余裕がありますし。
折角…ですから、手土産に…
お寿司でも…あちらに、
買って行きましょうか…。
沢山人数が炎屋敷に集まる事になりますし、
それに、煉獄さんと
甘露寺さんが居ますから。
食料の確保は…
死活問題になるますからね。
折角の、皆からのお弁当を
死守する為にも…、買って行きましょうか」
こうして 俺達は
しのぶさんのその提案によって
煉獄さんとあげはさんの待っている
炎屋敷に戻る前に
手土産の寿司を購入しに
行く事になったのだが
「オイっ!権八郎!!」
「どうかしたのか?伊之助」
「お前はお礼…しないのか?
アイツに…その弁当の礼だ。
俺は出来る親分だからな!
ちゃんと、アオコに礼もしたからな。
子分であるお前も、
アイツに礼をしろっ。権三郎」
伊之助からカナヲにお礼はしないのかと
炭治郎は尋ねられてしまって
尋ねられると言うよりは
礼をしろと強制?強要されてる気もするが
炭治郎としては 伊之助から
そんな事を言われるなんて意外でしかない
「ああ、そうですね…。
伊之助君、それは名案です。
丁度、偶然にもこの通りには
先程、伊之助君がアオイへのお礼を買った
小間物屋があるのですが…。どうですか?
炭治郎君も、カナヲにお礼を…
購入されて行かれませんか?」
しのぶの言葉と伊之助の言葉もあって
炭治郎がしばらくそのまま考え込むと
自分のポケットの中に入れていた
カナヲから預かったあのコインを
ポケットの中でギュッと握りしめた
うん…と何かを決意した様にして
炭治郎が頷いた
「すいません、しのぶさん。
その小間物屋に…
案内して貰って良いですか?」
「はい、勿論構いませんよ、炭治郎君
小間物屋までご案内致しましょう」