第81章 その琥珀糖はまるで
蝶屋敷の面々に手を振って見送られて
蝶屋敷を出発してしばらくの間は
さっきの事を根に持っていたのか
落ち込んでいた様子だった善逸だったのだが
「そう言えば…。
善逸君と伊之助君は…
甘露寺さんをご存じですか?」
「甘露寺さん?知ってるも何も…
あの人ッ、すっごいっ可愛い顔して
とんでもないよ?化け物だよ?
人間じゃないよ?甘露寺さんッ」
前に炎屋敷に甘露寺さんが来た時に
俺達は甘露寺さんに
文字通りに扱かれてしまって
絞り尽くされて死にかけてた…
記憶があるのだが
「あの…馬鹿力の
乳デカ女の事か?しのぶッ」
「乳…いや、確かに…
甘露寺さんはご立派ですが…。
でも…今は…甘露寺さんよりも…、
あげはさんの方がお胸はご立派…
ではありませんか?その…、煉獄さんのせいで…」
「あん?なんで…あげるの乳が
デカくなんのが、
ギョロギョロ目ん玉の所為なんだよ?」
しのぶのそのさらっとした発言の
意図する事が理解出来ない伊之助が
躊躇する事なくそう聞き返して居て
伊之助はそんな 反応だったのだが
善逸は赤面していて… 炭治郎はと言うと
俺も…顔が熱いから…
俺の顔も赤くなってしまってるんだろうけど
その…今日の…出発の時間も…
しのぶさんが
お二人は名残が惜しいでしょうから
できるだけゆっくりにしましょうと
言っていたので
それは…やっぱり…
煉獄さんとあげはさんは…
その… 色々と… 大人だし…
今日…自分が…
どうにかなってしまうかも知れないって日に…
名残を…惜しみ合って
離れがたいと思ってるに違いない…んだけど
「あれ~?炭治郎~、
そんな音、させちゃってぇ、
何考えてんの?やらし~」
ニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべながら
善逸がそう言うと
逃げろと走って行ってしまって
俺にそう言いながら
あんな匂いをさせてる善逸にだけは
言われたくないと炭治郎は思っていた