第81章 その琥珀糖はまるで
「あ~、善逸さんも…、適当に…
しのぶ様とあげは様の邪魔に
ならない様にして下さいね?」
そう…なほに…呆れた様な顔をされながら
善逸が邪魔にならない様にと言われいて
ある意味…あの3人に
ここまで…嫌がられるのも
善逸の気持ち悪さが原因かも知れないが…
善逸は強いし…優しいし…いい奴なんだけど…
どうも…女の子が絡むと…
どうしようもない感じになるな…
「しのぶ姉さん…
これを…、あげは姉さんに…」
そう言って皆の分のお弁当とは別のお弁当が
入っているらしき包みを…
カナヲがしのぶに託して来て
「これを…、
あげは姉さんに…ですね。
わかりました、カナヲ、お預りしておきますね。
ちゃんと、私が責任を持って、
あげは姉さんに渡しておきますので」
「……うん…ッ」
しのぶの言葉にカナヲが何度も頷いて
それから炭治郎の方を向き直ると
「炭治郎ッ!」
カナヲの声なのかと言う
声の大きさでカナヲが炭治郎を呼ぶと
別のお弁当の包みを炭治郎に手渡して来て
「カナヲ…ッ、これ…ッ」
「これっ、…お弁当…、
お弁当…作るの…初めてだから…
あんまり…上手に出来なかったけどッ…。
どうしても…、炭治郎に…
お弁当…作りたくて…ッ」
カナヲの手の指先には…
白いテープが数か所貼られていたから
慣れない…料理で怪我をしたんだろう
「ありがとう…、カナヲ…。
あっちでありがたく頂く事にするよ」
……と言う 炭治郎とカナヲのやり取りを
善逸は嫉妬を露わにしながら
炭治郎ばっかりとぶつくさと言って居て
伊之助の方は全く気にも留めてない様子で
しのぶはしのぶでカナヲも割と
大胆な所があるのだなと…
普段のカナヲからは想像できない
積極的な行動に驚いてしまいつつも
その成長を嬉しく…感じながら見てしまって居た