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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第81章 その琥珀糖はまるで


カナヲが…こっちに
そのコインを押し付ける様にしながら

その顔を真っ赤にして…
意地でも…それを受け取らせようとするから


「炭治郎にしかッ、
…預けられないの…ッ…だから…。
だから…、私の所に…、
炭治郎が、返しに来て…ッ」


その言葉と一緒に…自分の中に
閉じ込めて置けなかった感情が

一粒の涙になって…

零れ落ちて来て 頬を伝って行く


「カナヲ…。分かった…。
これは…俺が大切に預かるよ。
カナヲの…気持ち…だもんな。
カナヲが…一緒に
…行きたいって思ってる気持ち…は、
ちゃんと俺が連れて行く」

カナヲの手にあったコインを
炭治郎がその手に握ると
カナヲがその炭治郎の手の上に
自分の両手を重ねて

うんうん…と何度も頷いて

言葉に…変えられない分の感情は

自分の手の上に重ねられていた 

カナヲの手の上に

ぽっ… ぽっ…と落ちて そ

の手を濡らしていて


空いている方の手で

涙を流しているカナヲの頭を

炭治郎が撫でる


「ちゃんと…これは…、俺の手で
カナヲの所に返しに来るから」

「炭治…郎……。う、うんっ。
待ってる…。私、待ってるから…ッ
ずっと…待ってる…、炭治郎が…、
コイン…返しに来てくれるの…待ってる」



ーー
ーー
ーー


蝶屋敷の門の前で…お弁当を渡されて

カナヲ アオイ それから

すみ きよ なほ の3人娘に

見送られて…蝶屋敷を出発した


「ふえぇえっ、しのぶさまぁ~。
炭治郎さーん、伊之助さ…ん、
どうか…ご無事でぇええっ」

3人娘が涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら

俺達を見送ってくれたんだけども


「ねぇ、ちょっと。俺は?
どうして俺入ってないの?ねぇっ、
俺も、行くんだよ?
ねぇ、きよちゃんっ、ねぇってばっ」



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