第81章 その琥珀糖はまるで
※伊之助×アオイぽい表現
※炭治郎×カナヲぽい表現 あります
どうせ…後で…同じ場所に集って
同じ相手に刃を向ける…のだが
だけど…今は…胡蝶カナエの妹として
その戦いに赴こうとする不死川の
その背中に頭を下げて しのぶは見送った
一方…蝶屋敷では…
戦いに赴く…皆の為に台所で
カナヲとアオイとすみ きよ なほの3人が
大量のおにぎりを入れたお弁当を用意していた
「おおおっ!!
おにぎりじゃねぇかよ!美味そうだな!」
そのお弁当を用意している匂いにつられて
伊之助が…つまみ食いをしに…来ていたのだが
ペシンと…持っていたお玉で
アオイが伊之助の手の甲を叩いた
「ダメですよ?伊之助さん、
さっき伊之助さんは…
朝ご飯を済まされたばかりでしょう?
これは、皆さんに
お持ちいただくお弁当ですので。
今、食べて貰っては困ります。
どーぞ、こっちが…
今…、食べていい分ですので…。
これでも食べたら、
伊之助さんは大人しく、
炭治郎さん達の所に帰って下さいね!」
コトンと…伊之助の前に
朝食の残りのお味噌汁と
お弁当のおかずの為に煮ていた五目豆と
握りたての温かい大きなサイズの
おにぎりを2つ…お盆の上に乗せたものを
アオイが伊之助の前に置いて
これなら食べて良いからこれを食べて
炭治郎達が居る所へ戻る様にと促した
「これっ、食っていいのか?アオコッ」
「ええ、その為に…、用意したので。
お弁当に入れる方を…
食べて貰っては困りますので。
べ、別に…私はッ…伊之助さんの為だとか、
伊之助さんの……為に
用意したとか…じゃ…ありません…のでッ」
アオイがそう言って
おにぎりに夢中になって居る
イノシシの被り物を外している
伊之助の素顔を アオイがチラッと
顔を背けながらも視線だけ向けて見ていた
「(伊之助さん、どうか…ご無事で…)」