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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第10章 追憶 煉獄家にて


「居なくとも、…君を…その記憶が今も
…苦しめているんだろう?」

おいそれと話すような
話せる話ではないのは
彼女の話を聞いて分かったが

彼女が傷物だと知っていて
それを知っていた透真殿が
彼女を娶りたいと言ったのであれば

確かに透真殿は 彼女に取って
重要な特別な存在であったのは想像に足りる

「聞かない方が…良かったんじゃ」
「そんな事はない!…辛い話をさせてしまって
すまなかったな!」
「杏寿郎…さん」

「だが、気に病む事はない。この事で
俺の君への想いが揺らぐことはない!」
「多分、そう言ってくれると…私も
思ってましたけど」

その夜はそれ以上
何かをしようと言う気にはならず
そのまま身を寄せ合って抱きしめたまま
いつの間にか眠ってしまっていた

不意に目を醒ました時に
彼女の頬が涙に濡れていたのに気が付いて
その涙を拭ってやると
そっとあげはの体を抱きしめた

そのまま また眠ってしまって居て
気がつくと朝になっていた
自分の腕にある彼女の重みが愛おしいと思う

安心して穏やかな寝顔を浮かべて居たので
ほっとしてしまった

「あげは、朝だぞ?」
「んっ…んんー?」

彼女は俺の声に身じろぐが起きなかった
「起きないのなら、口付けるが…良いのか?」
そう囁くもまだ眠っているので
ちゅっとその柔らかそうな頬に口付けると

唇を重ねる
そのまま感情のままに
口付けを貪ると

「んっ…、ふぅ…ん、あっ…」

杏寿郎の口付けに応じるように
あげはの口から甘い声が漏れた

寝起きだからか半分まだ夢見心地なのか
まだ夢と現実の境目の彼女は
声を抑えようとしないので

俺は彼女の目が覚めきる前に
もう少し 欲張りたいと思ってしまった
軽い口付けで起こすつもりだったか
彼女の自制心が声を殺させる前に

深い方の口付けも
前にした時より激しくしても
肩を叩いて止める様子もないし
右手で彼女の寝巻きの間から
その滑らかな太ももの肌を撫でつけても

「はぁ…んっ、あ、…う、んっ…?」

ただただ甘い喘ぎにも似た
声が漏れるだけで

更に欲張りたい衝動に駆られたが
少し離れた所から足音が聞こえて

慌てて体を彼女から離した

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