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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第81章 その琥珀糖はまるで




鏡台に向かって化粧を整えて

化粧道具の中からあげはが

杏寿郎から貰った 小町紅を取り出す


これを注しては杏寿郎に落とされた回数は

数えきれない程…にあった様な気がする

贈って貰ってからは…何度も使ってるから

もう…大分…これも…

使い込んだ感じになっている


「あげは、いいか?
入るぞ?支度は出来ているか?」

「すいません、杏寿郎。
支度はまだ終わっておりませんでして。
あの、杏寿郎。そのまま、
こちらに来て頂いても構いませんか?
杏寿郎にお願いをしたい事がございまして」


中からそう声が返って来て
ガラガラと襖を杏寿郎が開くと

そこには隊服に身を包んだ
あげはの姿があって

鏡台に向かって座って居る背中が見えて

化粧を施している途中なのだと気が付いた

「その隊服姿だと、
あの列車の任務を思い出すな。
化粧の途中…だったのか?あげは」

「ええ、そうでありますね…。杏寿郎。
でも…あの任務を共にしておりませんでしたら、
私は、今…こうして、杏寿郎と恋仲にも…
なって居なかったでしょうから…、
あの任務に私に赴く様に…言ってくれたのは、
他でも無く、しのぶちゃんですので。
私が、今日と言う日を、
この形で迎えられたのは、
しのぶちゃんのお陰でもあり、
延いては蜜璃ちゃんのお陰でもありますので」

「胡蝶は分るが、甘露寺の…か?」

「ええ、あの時…私に琥珀糖を贈る様にと…
杏寿郎に助言したのは、
蜜璃ちゃんでしたのでありましょう?
あの時の贈り物が、あの琥珀糖で無かったら。
私は、杏寿郎にお礼をしたいとも
思わなかったかもしれません。
簪や紅と言った類であれば、最初から
お礼を受け取ろうとも勿論思いませんし、
高級菓子や果物であったとしても
お断りをしたいたでしょうから」

「しかし、…あまり…
あの琥珀糖の味は良くなかったと
あの時の、…列車で言って居なかったか?」


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