第81章 その琥珀糖はまるで
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この夜の…夜明けが来なければいいのにと
そんな風に願った所で
時の流れは不変でありながらも
時に無常でもある訳で
部屋の中に…外からの光が
射しこんでいるのに気が付いた
夜明けがいつだったのか…も記憶していない…し
自分の中に…彼が居る…
感覚がするのは…気の所為ではなくて
「ん?朝か?……知らぬ内に…
夜が明けていた様だな…。
おはよう。あげは」
「ええ、その様です…ね。
杏寿郎…、おはようございます」
「まだ…、皆が屋敷に
集まるまで…時間もあるしな…。
俺としては…まだ…君と床の中で
昨日の夜…の続き…と、言いたい…んだが…な?」
そう言いながら 床の中で
スリスリと頬を
お互いに寄せてすり合わせていると
自分の中に在る彼を
はっきりと感じる様になって来て
一晩中 身体を繋いでいたのだから
お互いの身体は馴染んだままになっていて
外は…もう完全に夜が明けてしまっていて
夜明けを過ぎてから…大分した頃だろうが…
まだ床から離れられないで居た
そのまま 杏寿郎と愛し合って
いつの間にか用意されていた朝食を
風呂に入った後に有難く頂いて
朝食の片付けを済ませた後は
杏寿郎と軽く中庭で手合わせをすると
もう一度…掻いた汗を残り湯で流して
流すついでに…名残を惜しんで
短い時間の合間を縫うようして身体を重ねていた
その余韻に浸る間もなく…
身体を流すと風呂場を後にして
支度を整えるために自室へと戻る途中で
こちらの支度を…見るのは悪いと
そう杏寿郎は考えたのか…
しばらくしてから戻ると言っていたので
あげはは一足先に…
部屋へと戻って身支度をする事にした