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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第80章 それぞれの前夜



『あの…ッ、私はいすゞと…申しますッ。
お名前ッ…を、お教え…頂いても…?』

「んなもん…聞いて…どうすんだァ?
俺かァ?俺ァ、不死川…つぅんだが…。
それより、姉ちゃん。おはぎ
3つほど俺にくれちゃぁくれねぇかい?」

『はい、おはぎ3つですね?
少々お待ちくださいッ。あのっ、
私は、姉ちゃんではなく、いすゞですのでッ』

「へいへいそうかいそうかい、
じゃあ、頼んだぜェ、いすゞ」

『……なッ!!おっ、
…おはぎ3つ、お待ちくださいッ!!』

持っていたお盆でその顔を隠しながら
そそくさといすゞは中に引っ込んで行った


まだ十代であろう その看板娘は

くりくりとした大きな目が特徴の

可愛らしい顔立ちをした娘さんで


名前はいすゞと言うらしいが


自分で名前をこっちに呼べと言って置いて

こっちが名前を一つ呼んだぐらいの事で

耳まで真っ赤に染めちまって

初心な娘さんである事は間違いねぇが


顔もいいし 器量もいいし 

その上 愛想もいい…し 良く働く


おまけにそれだけじゃねぇ

大人の荒くれ者でも 一睨みで逃げ出す様な

俺の姿なり見といて あんな口が利けるんだ

少々気も強いが 威勢もいいと来りゃあ


あの娘を嫁にしたいてぇ男は…


俺がざっとこの団子屋の

周囲を見渡す限りの見立てでしかねぇが


あいつとあいつと…それからあっちのアイツ

そっちのそいつも…そんな口の常連客だろうなァ


先に出された冷水のグラスを傾けると

自然に不死川の視界が上に向いて


木々の間から僅かに見えてている

空に鎹鴉が見えて


「んぁ、ありぁ…鎹鴉じゃねぇか」


ここの上空で旋回してるから
お探しの相手は…俺の様だが…



あの鴉は…伊黒の鴉だな…


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