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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第80章 それぞれの前夜



少し離れた場所に居た 

不死川に気が付いた様で

その鈴を鳴らした様な声で声を掛けて来て


「空いてんのかァ?」

『はいどうぞ、
あちらがわの椅子が空いてますので』

そう言って今いる方側ではなく

店の反対側の長椅子が空いていると
不死川に声を掛けて来て

「じゃあ、悪ぃな。
姉ちゃん、ちっと邪魔すんぜェ」


ジィ――――とその看板娘の視線が

不死川に注がれているのに気が付いた

俺はこんな顔立ちをしてるから

大概初対面のやつには
何もしてなくてもビビられて
視線を合わせる所か 
逸らされる……なんて事には

こちとら慣れっこになっちまってるが…


「んなに、俺の顔が珍しいのかァ?」

『いっいえっ、すいませんっ。
見つめてしまって。あの…っ、ちょっと…
違う感じの…恰好だけど…ッ、
お客さんも…鬼狩り様…ですか…?』

「ん、姉ちゃん…鬼殺隊を知ってんのかァ?」

『はい、…ちょっとだけ…。
昔…2度…、命を助けて頂いたので…。
私の…命の恩人でもあり、
初恋の相手…でもあるんです』


そう言いながら 恥ずかしそうにして

ほんのりと頬を染める姿は…

商売女にはない…素朴な魅力を感じる

現に…こんな辺鄙な場所には

似合わない位の器量よしで別嬪とありゃあ…

この店の常連客達は…大概

この看板娘目当て…てぇのが多いんだろうな


「悪い事ァ、言わねぇ。
旦那にすんなら、鬼狩りだけは止めとけェ」

『それはどうして…ですか?
私達の生活を日夜護る為に
命を懸けて戦って下さっている、
鬼狩り様の元に嫁いでは、…何がダメなのですか?
私に、剣が振るえなくて団子屋の娘だからですか?』

「そう言う意味じゃねぇ…、いつ
おっちんで、ある日突然、
帰って来なくなるかも知れねぇ
旦那なんかやめとけェって意味だァ」


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