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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第80章 それぞれの前夜



「そうだな…、
俺は…血の繋がりこそは無いが…
あげはの事は俺の姉の様に思って居る…。
ふたりには…煉獄とあげはには…、
幸せになって欲しいと思う。
その為にも…、俺の為にも…
俺も…越えねば…
真の意味で、水柱を名乗れない」


義勇が視線を刀掛台に置いている

三上透真の使っていた日輪刀に向けると

その手を伸ばして 日輪刀を手に取る

スッと鞘から少し抜くと

青い…刀身が月光を浴びて青く浮かぶ様に光る


『私は…忍ですので、
刀に精通してる訳ではありませんが。
それでも、分かります。
その…刀は…、素晴らしい刀…ですね…。
圧倒的な、息を飲む様な…存在感を感じます…』


雛鶴のその言葉に義勇が目を細めると

その青い刀身に視線を向ける

曇りのない清水の様な刀身には

義勇の顔が鏡の様に映っていた


「当然だ…。この刀は最高の刀匠が、
最強の剣士の為に打った名刀…だからな…。
俺の様な…剣士が持っていい刀じゃない…」


ポンっと突然 頭の上に

大きな手の感覚を感じて

そのままその大きな手にわしゃわしゃと

犬か何かを撫でる様にして撫でられてしまって

義勇の髪の毛はぐちゃぐちゃに
乱れてしまって居たのだが


「俺が…寝てる間に、俺の女房を口説くたぁ。
お前、冨岡の癖に…隅に置けねぇじゃねぇか」

「宇髄、起きてたのか?
俺は…お前の妻と話をしていただけで、
お前の妻を口説いた覚えはないが。
その手をいつまで、
俺の頭の上に置いているつもりだ?宇髄」

「目が醒めたんだったら、
もうちょっと、付き合え、冨岡」

そう言って宇髄が
義勇の隣に胡坐をかいて座ると

さっきまで隣に居た雛鶴の姿は
もうその場からなくなっていて

お盆の上に酒とちょっとした乾き物が

音もなく 知らない内に用意されていて

宇髄の傍らに置かれていた



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