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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第80章 それぞれの前夜



「入って下さい、カナヲ…。
別に…私は…何も、怒ってませんよ?」

ガチャ…っとドアのノブに手を掛けて
カナヲがしのぶの部屋のドアを開くと

机に向かっているしのぶが
こちらに向かって
ゆっくりと身体を向き直って来て

「カナヲ…、丁度…
眠れなくて困っていた所…なんです。
昔…貴方が…ここに来た時の様に…、
しても…いいですか?」

「……え、…でも…、良いの?
私…もう、あの時…みたいに
子供じゃない…のに」

「ええ。勿論、今夜のこれは…。
私が…、そうして貰う方…ですから…」

この…屋敷に自分が来た時の事を…
カナヲは思い返していた
夜に…ベッドに入っても眠れなくて
カナエ…姉さんが…良く私を
自分のベッドに入れてくれた

一緒にベッドに入って

布団を身体に掛けて貰って

トントンと布団の上から
身体を優しく叩いて貰った

自分がもっと小さい頃…

どこかの赤ちゃんが…お母さんに抱っこされて

そんな風に…

寝かしつけられてるのを見掛けたことがあった

私は…兄弟が多くて…そんな風に…

親に…寝かしつけて貰った記憶なんて無かった


嬉しかった…


そんな…自分が欲しいって思って居ても

欲しいって言えなかった

言い出せなかった…物を…

何も言わなくても…

カナエ姉さんは…与えてくれた


カナエ姉さんが…任務で屋敷を空ける時は…


―『別にっ…私は、…、
そんな…つもりじゃ…
そう、代わりですっ。
カナエ姉さんが留守だから
その代わりをするだけっでッ…、
私が…その…決して…カナヲと一緒に
寝たいだとかじゃありませんっ』―

そんな風に言いながら…
しのぶ姉さんが一緒に寝てくれた

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