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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第80章 それぞれの前夜



「ダメじゃない。きっと…、
天国で…ちゃんと…カナヲのその声を…
カナヲのお姉さんは…聞いてくれてるから」

「炭治郎…ッ…、
ありが…と…、うん、う…ンッ」


もっと…ちゃんと…私ッ

炭治郎に…

お礼を…言わなくちゃって思うのに…ッ

言いたい事…が…上手く言えなくて

色々と炭治郎が…私に言ってくれた言葉に

首を縦に振って頷くしか出来なくて


「任せてくれ…って自信を持って
言えなくて…、ごめん…。
カナヲだって…、行きたいと…
あげはさんやしのぶさんの役に立ちたいって
そう思てるはずなのに…ッ」

「ううん、いいの…。炭治郎。
ちゃんと…分かってる…つもり…だから。
あげは…姉さんの気持ち…も、
しのぶ…姉さんの…気持ち…も…、
私…ちゃんと…分かってる…から…。
でも…、炭治郎にも…
生きて…帰って来て…欲しい…」

ぎゅ…っとカナヲが炭治郎の身体に
縋り付く様にして自分の腕を回して来て

お互いの心音と…体温を感じながら
心地いい…大切な…温もりを感じていた

ずっと…こうして居たい…と

こっちが感じて居る様に…

お互いがそう…思ってるんだって…

そこに明確な言葉があった訳じゃないけど

自分がそうだし…炭治郎も…そうだと良いな…と

そう思いながら…

その心地のいい抱擁に身を委ねていた



ーーー
ーー



炭治郎と…別れた頃には

すっかり月も高くなってしまっていた

もう…こんな時間… 早く…部屋に戻らないと…

そう思いながら…カナヲが廊下を歩いていると

しのぶが使っている私室の明かりが
灯っている事に気が付いた


『カナヲ…ですか?』


そう中から…しのぶの声が聞こえて来て


「ごっ…、ごめんなさい…ッ。
その…中々…寝付けなくて…私ッ」


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