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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第80章 それぞれの前夜


※公式ではありますが炭カナを含みます






僅かに空気が動いた

その僅かな風に乗って…

漂って来た知っている匂いに

炭治郎の鼻が反応して 顔を上げた


「この匂いは…、カナヲだ…。
カナヲの匂いがする…、こんな時間なのに。
カナヲ…も、起きてたんだな…」


炭治郎は閉じていた目を開いて

そのカナヲの匂いを感じた方に視線を向けた

そこには… 今は時期ではないので

花は咲いていないが桜の木が1本あって

前に…何かの時に…あの桜の木は…

カナヲにとってお姉さんとの

大切な思い出の桜なのだと
前に話を聞いた事があった


その 桜の木に対して…
カナヲが話しかけている言葉は

俺は善逸じゃないから
聞き取る事は出来なかったが

その…言葉にカナヲが
乗せた思いは…気持ちは

願いは…吹き抜ける風に乗って
俺の所まで届いていて


「カナヲ…ッ」

「たっ、たた、炭治郎??起きてたの?
ぜ、全然っ、気が…付かなかったッ…」


「ごめんっ、カナヲ。驚かせちゃった?
ははは、明日の事を考えてたら
緊張しちゃって…眠れそうに無くて…。
あの屋根の上で、
ちょっと夜風に当たって瞑想してた。
カナヲは…、こんな夜遅くに
ここで…何をしてたんだ?」

「私っ?私は…ッ、ここで…、
カナエ…姉さんに…お願いしてたッ。
どうか。しのぶ姉さんと
あげは姉さんを…護って…欲しいって…、
ダメだよね?こんなお願いされちゃっても、
きっと…カナエ姉さんだって…
困っちゃうのに…!!?」


フワッと…カナヲの背中に
炭治郎が腕を回して来て

「……―――!!?」

わたっ…私っ…今ッ…

炭治郎に…今ッ…

抱きしめられてるっ…??


「えっ、え、え…、
あっ、あの…ッ、た、炭治郎?」


今の自分の状況が
理解出来なくてどうしたらいいのか
分からずにカナヲは混乱してしまって居た



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