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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第80章 それぞれの前夜



『でも…、それを…しなかった…んです…。
正確に言えば、彼は
そうしたかったのに、そう出来なったんです。
あげはさんが、ここに…
居ると言う事を初めから知っていても、
彼にはそれが、出来なかった。
炭治郎君、それは何故か分かりますか?
あの人がそれを、出来なかった理由は、
あの人がそうするのを、ずっと、
止めてくれている人が居たからなんです…』

「だったら、そのしのぶさん。
その人に何かがあった時の為にも。
ここじゃなくて、…もっと別の
…安全な場所とかに…ッあげはさんに、
避難して貰ったりとか…って…ッ。
どうして、今までしたりしなかった…んですか?」

その鬼になってしまったと言う
あげはさんの元婚約者が
蝶屋敷の場所を知っていたのに

どうして今まで その鬼は
あげはさんを連れ去りに来なかったのかも

しのぶさんが
その危険性があるのを知って居るのに
蝶屋敷の場所を変えなかったのも
あげはさんを他所に移さなかったのも
俺からすればその理由が分からない

じっと静かにしのぶが

炭治郎の目を見つめていて

その紫の瞳の闇の色が…深まったかの様に見えた


『炭治郎君は、どうして…
私がここにあげはさんを
留めていたのか…が知りたいんですね?
あの人の狙いがあげはさんなのであれば、
あげはさんを安全な場所へ…
避難させれば良かったんじゃないかって。
そんな風に考えているんですね?
…残念ですが炭治郎君。
鬼殺隊の中でも、厳重に警備されていて
関係者にすら場所を知らされていないはずの
私達の日輪刀を打っている、言わば鬼殺隊の
心臓部…でもある、
刀鍛冶の里の場所を…彼は知っています』


しのぶの言葉に炭治郎は耳を疑った

刀鍛冶の里は許可が無いと

隊士は行く事も出来なければ

その場所は厳重に

隠されているのだと聞いた事がある

蝶屋敷の場所…だけでなく…

刀鍛冶の里の場所も…知ってる…のか?

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