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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第80章 それぞれの前夜



「いいんだ、炭治郎。
俺だってちゃんと分かってるから。
でも、正直…俺はさ、
その…鬼になっちゃってもさ、
こんな風に、沢山の人に…求められてて…。
大事にされてる人
…羨まし…い…って思っちゃうよ?
俺はさ、孤児だったし。
…生まれた時からさ…、誰にも
必要とされて無くて、さ。誰からも…
期待をされる事も、感謝される事も、
求められて必要とされる事もなくて…。
俺、…じいちゃんが居てくれたから…。
俺、…ここまで頑張れたんだって、
思ってるし…ッ。じいちゃんには感謝してるんだ」


「善逸…そうか…、でも…善逸。
それは…昔の話だろう?俺は、善逸が
あの時、ねずこの事を守ってくれた事に
感謝してるぞ?
伊之助は…最初はあんな感じだったし、
善逸が居てくれたからだなって、
思う様な時も今までの…中でも沢山あったしな。
だから、俺は善逸に感謝してるし。
善逸の事信頼もしてるし、期待もしてる」

「たッ、炭治郎ぉおおおっ」

善逸が布団を頭から被ったままで
顔を涙と鼻水でぐちゃぐちゃにしながら
炭治郎の方へ縋り付いて来て


「わあああっん、炭治郎おおおっ。
嬉しいよぉ、ありがとうよぉ…ッ。
うわあああぁん、俺ぇ、頑張るよぉ。
明日…、俺、頑張るよぉ~」

「分かったッ、分かったから。
善逸…、少し…俺から
離てくれないか?善逸ッ。
三上透真…と言う人は…、
しのぶさんにとっては
兄の様な存在で、
冨岡さんにとっては…師範…と
呼んで教えを乞うていた…んだって聞いた…。
宇髄さんとは…
親友だった…んだって…事も…だけど…ッ」

その涙だか 鼻水だかが
自分の身体に付けたくなくて
グイグイと炭治郎が縋り付いて来て
離れようとしない 善逸の額を
その手で押さえて引き剥がそうとする


三上透真… その人は


俺達とは面識がある相手じゃない

でも…一緒に戦う…柱の人達にとっては

かけがえのない…相手…でしか無くて




炭治郎は…昼間 中庭で交わした

しのぶとの会話を思い出していた



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