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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第80章 それぞれの前夜



そう問いかけて来る善逸の言葉に
炭治郎がすぐに返事を返せないで居ると
善逸はそれを気にする様子もなく

そのまま言葉の続きを紡ぎ始める


「俺さ…、あの無限列車の任務の時にさ。
煉獄さんとあげはさんのさ、炭治郎もさ
そうだとは、思うけどね?その、
あの2人のお互いを想い合う気持ちはさ、
音で全部聴いちゃってたからさ、知ってる訳。
あの2人にはさ、
幸せになって欲しいなぁ~なんてっ、
そんな風にさ、思うんだけどね?」

「俺だって、善逸と…同じ気持ち…だ…。
だけど…、俺達が…明日戦うってなってる
そのあげはさんの元婚約者の…
三上透真って人の事…。
昼間に気になって…、しのぶさんに…
ちょっと、その人の事を…聞いたんだ」

「炭治郎だって、
俺だって…その…、音でさ…。
その人が…あげはさんのとって…
だけじゃなくてさ。他の人に取っても、
大事な人なんだってのはさ。
俺も…あの結納の時にさ…、
音…色んな人の音…聞いたからさ。
柱の人ってみんな…凄い人…ばっかりなのにさ、
その…凄い人たちがさ…、
あんな音…させるなんてって」

善逸がベッドの上で
自分の膝を抱える様にして座って
何かから隠れる様にして自分の
頭からすっぽりと布団を被ってしまって


「善逸?どうかしたのか?」

「…………」

「善逸?」


いつもは止めても一人で勝手に
機関銃の様に喋り続ける善逸が
今度はまだ話したい事がありそうなのに
黙り込んだままで何も言わなくなってしまって


「羨ましい…よ…」


頭から善逸が被った布団が邪魔をして
炭治郎の方からは三上透真の事を
羨ましいと言った
善逸の表情は窺い知る事が出来なくて


「その…、羨ましい…って思っちゃうんだ…
ない物強請りしてるのは、分かってるけどね?
その人が…、何で鬼になっちゃったのかとか
その理由とかも…、知らない訳だしさ…」


「善逸…ッ、そんな事ないぞ?善逸。
善逸は強くて優しいんだって、
俺が一番、善逸の事、知ってるし分かってる」


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