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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第80章 それぞれの前夜



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蝶屋敷



屋根の上に浮かぶ 宵待月が…
見守る様にして屋敷を見降ろしていた


ベッド上で炭治郎は寝がえりを打った


さっきから何度もこうしてるが

一向に眠れそうに無かった



ダメだ…眠ろうとしても…
目が冴えてしまう一方で…
全然眠れそうにない…ッ



ギシッ… 小さくベッドが軋んで音を立てると

炭治郎がベッドの上で身体を起こした


「……」


炭治郎が隣のベッドに
声を出さずに目を向けると

自分の隣のベッドには善逸が

その更に善逸の隣には伊之助が横になって居て


伊之助はいつも通りに
グーグーといびきを掻いて寝ている

伊之助のこう言う部分を
見習いたいとも思うし
分けて貰いたいとも思うし…
むしろ…伊之助には…このままで
居て欲しいと…炭治郎は感じながら

その伊之助のいびきが混じる
寝息に炭治郎が耳を傾けていると


「ねぇ、もしかして、炭治郎も…眠れないの?」


隣のベッドの上で
頭からすっぽりと布団を被って
寝たふりをしていた善逸が
炭治郎に声を掛けて来て


「明日は大事な日だから、無理やりにでも
眠らないと…ダメだって、分かってるのに。
眠り方を…忘れた…みたい…になってる…な」


むくっと善逸が…ベッドの上で身体を起して

お互いにベッドの上で座る恰好になって並んだ


「俺も、炭治郎と同じみたい。
寝ないと寝ないとって思っても、
全然…色々とさ、その…、考えちゃってさ。
明日の事、考えるなって言われても
やっぱり色々とさ、考えちゃうよね?
いや、そのさ、俺達みたいな下っ端の
階級がさ低い隊士がさ、
そんな事…悩んでも仕方ないって言うのはさ
俺だって、言われなくても分かってるし
分かってるんだけど、さ。
そうせずに、居られない…って言うか…さ」


善逸から感じ取れる匂いには
”緊張”と”不安”の匂いがしていた


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