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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第9章 療養編 煉獄家にて


「…だが、君が家に来てくれなかったら、
何も変わっていなかっただろう。…父上が
あんな風に、変わった…いや、戻られたのは
君のお陰だ!!」

「そんないいですって、
私もそうしたいと思ってした事ですから」
お礼をと言う杏寿郎に
あげはは礼は要らないと言った

「君は…、何か欲しい物はないか?」
お礼の品は何がいいのかと
尋ねられている様だが
「それなりの、お給料を
頂いておりますので…特には…」

仮にも柱の一つ下の甲の隊士であり 
しのぶの手伝いをしてる分も
上乗せで貰っているのだ 他の甲の隊士より
私は高給取りだしなぁ
それなりに好きな物は買えるのだ

「そうか!だったら、…何かしてみたい事や、
行きたい所はあるか?」

杏寿郎にしてみたい事や行きたい所と言われて
あれやこれやと想像してみるが
ある程度の現実味のある答えでないと
いけないだろうし

「そうですねぇ、あえて言うのであれば…
温泉にでも入って、ゆっくりしたいですかねぇ?
マッサージでも丹念にして貰って、
露天風呂にゆっくり浸かって…、
冷えた冷酒でも頂ければ、最高ですけど?」

「温泉か!いいな!」
「あ、でも、杏寿郎さんとは…
一緒に入れませんよ?」

どうしてだと言いたそうな杏寿郎と
視線がぶつかった
一緒に入る つもりだったのかな?この人

「ん?どうしてだ?
別に入るつもりだったのか?」
「え?一緒に入るつもりだったんですか?
ダメですよ?女湯には入れませんから」
「ハハハハ。それは、そうだが。
まぁ、いい。考えておこう」

ギュッと膝の上に乗せられたまま
後ろから包み込まれるように抱きしめられる

愛おしいと思う相手を
こうして自分の胸に抱き留めて
顔を寄せると
すりっと頬を擦り合わせてひっつける

今 こうして過ごす この時間が
堪らなく至福の時間に感じられて
愛おしいと思ってしまう

殺伐とした戦いに明け暮れて
神経を擦り減らす様な日々に
身を投じていたと言うのに…

「…君と居ると、…心が満たされる…」

私を抱きしめていた腕に
力が込められたのを感じて
耳に唇が触れそうな位の距離で囁くように

「君も…俺と、同じ様に…思って、
感じてくれてる…のだろうか?」

そう問いかけられる

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