第79章 一夜蜜月 ※Rー18
「構わないだろうか?
あげは、君をそうしてしまっても…」
「今夜は…、その様な…口説き文句も
…不要にありますよ?杏寿郎…。
杏寿郎…、貴方で…、私を…
満たし尽くして頂きたく…あります。
杏寿郎…しか、見えぬ様に…
感じられる様に、貴方の事を…、
想うだけ…でありたい。貴方を…、
感じるままに…ありたいのであります」
スッとその見つめていたぐい飲みを
杏寿郎の手に奪い取られてしまって
「なら…、そうなる前に…。
この工藤の気持ちも…しっかりと、
頂いて置くより…他にあるまい…?」
杏寿郎がそう言ってぐいっと
そのぐい飲みの中の酒を
自分の口に含むと
そのまま口移しで酒を口の中に移される
ごく…っと喉を鳴らして
口の中に移された酒を 嚥下すると
口の中を…
その豊かな香りと味わいに満たされる
「ここにも…用意されてたんだな…、蜂蜜…が」
そう言いながら自分の手の平にトロトロと
瓶から蜂蜜を杏寿郎が移すと
その手の平の窪みの蜂蜜を
舌で纏めながら 自分の舌で舐め取る
先程酒を口移しにして来た様にして
今度は甘いねっとりとした蜂蜜と
杏寿郎の唾液の混じった液体を
あげはの口の中に移して来るから
その蜂蜜の濃厚な甘い甘い香りに
自分の口の中が満たされて行くのを感じる
「んっ…ふ、…はぁ、…杏寿郎」
「ふっ、……あげは…、君は…甘いな…ッ」
自分の口の中の蜂蜜を
お互いの舌と舌を絡め合いながら
蜂蜜に互いの唾液が
混じる様にして…かき混ぜて行く
「んっ、杏寿郎…、
甘いのは…、私ではなく、
その…蜂蜜の味…にありますねよ。
でしたら、杏寿郎を…
甘い、蜂蜜味にしても?」