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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第79章 一夜蜜月 ※Rー18



くいっと自分の
ぐい飲みの中の酒を飲み干すと
杏寿郎がそのお返しだと言葉にはせずに
空いたばかりのぐい飲みの中に日本酒を
表面張力のギリギリまで満たして行く

「杏寿郎…、
そんなに、ぐい飲みの中を
酒で満たしてしまっては…、
零れてしまいますよ?」

「まだ…、酒なら…沢山あるからな…。
もっと…飲んでくれていいぞ?あげは」

満ち満ちて行く…ぐい飲みの表面から
もうこれ以上…受け止めきれないと

液面が縁から表面張力でその縁の高さ以上に
盛り上がって行って 溢れる時が
今か今かと迫っていた

タラ…っと その均衡が破れて

ぐい飲みの縁から零れた日本酒が

ぐい飲みを持っていた
あげはの手の指を濡らして

あげはの指を濡らしながら 伝って行く


「杏寿郎…、もう…、
溢れて…しまっております…のに」


溢れているぐい飲みの中に…
溢れているのを構わずに…
ちょろ…ちょろと…まだ更に…
限界の上に注ごうと杏寿郎がしていて

指を伝った日本酒が…
そのまま手首に伝って来て

ポタッ…と零れた雫が… 落ちて

布団の上に敷かれていた 
バラの花びらに落ちる

その1枚のバラの花びらの窪みに…

自分の手首を伝った酒が…

まるで盃…の様に 蓄えられ行く


「この…器を満たす…酒の様に…、
あげは。君の全てを…、
満たして、溢れてしまうまで
俺で満たし尽くしても?
今夜は…、どうにも、
そうしてしまいたい…気分なんだがな…」


そう杏寿郎に言われて 思わず…

自分のこの手の中にある

零れてしまって居てもなお

ぐい飲みを満たしている酒に

あげはが自分の視線を注ぐと



こんな風に…自分の全てを…

杏寿郎に…彼に満たされるのを…

どうにも…想像をしてしまう…


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