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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第9章 療養編 煉獄家にて


杏寿郎がすぐに木刀を拾い上げてそのまま
目にも留まらぬ速さで 間合いを詰めると

「炎の呼吸 壱の型 不知火!」

杏寿郎の至近距離からの不知火を
槇寿郎が昇り炎天で迎撃しようとした時

「弍の型 昇り炎天」

ー何だ? いない…だと?ー

手応えがない
その姿もそこにはない
後ろか?

「炎の呼吸 参の型 気炎万丈!」

ガンッ 受け止めた木刀が重い
こいつ いつの間にここまで…
手負いでこれか…

確かに あの頃のこいつに
ここまでの才はなかったが

こいつは 努力する事で
才にも勝る何かを…手に入れたんだな…

「…ちったぁ、やるじゃねぇか」

いつの間にか
じゃがいもの皮を剥き終わっていて
今度はエンドウ豆の筋をとっていたあげはが

「もう少し、したら…、差が出て来るよ」
と言って
「差…ですか?」
千寿郎が返した

千寿郎の目には2人は互角に見える
父上は何もされてなかったと言えど 元柱
技の力も 同じに見えるのに…?

そう言ったと思ったら
あげはが何かを思ったのか下拵えをやめて
どこかへ行ってしまった

差が出てくると言った
あげはの言葉の意味を千寿郎が理解したのは
それから10分ほどした頃だった

以前として目の前では
息のつく間もないような応酬が続いていて
互角に思えた局面に 動きが…見え始めた

父上の…息が上がっている?

槇寿郎が肩で息をする様になっていた

「お二人共ー、お茶、入ってますからー!
一休みなさいませんかー?」

とお盆に湯呑みを二つ乗せてあげはが
2人に声をかけて手合わせを止めた
2人にお茶を差し出しながら

「今まで、何もしてないのに急に動いたら、
息も上がりますよ?それに、杏寿郎さんも、
大怪我した所ですし。肋骨の骨折はボルトで
固定してるだけですから、あまり呼吸を
使いすぎちゃダメですからね!」

あげはの言葉に杏寿郎が
自分が骨折をしてたのを忘れてたような
顔をしていた

「骨折?…俺がか…」
「あの時折られてたじゃないですか!
忘れてたんですか?折れ方が酷かったから、
ボルトで固定してあるんですよ。
固定されてるせいで、
痛みないから忘れてたんですね?」

失念していた

体の大穴が治ったから…
これで完治した物だとばかり



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