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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第78章 待宵月が見下ろすは…罪



そう言って葛葉がドン…と音を立てて
酒瓶を応接間の机の上に置いて
その葛葉の土産の酒は
高級な酒の代名詞の様な酒だったのだが

その土産の酒をぐい飲みに注がれて

「私が…思う程に…、あげはも…
お前の倅も…弱く無かった様だ。
喝でも…入れに行く…つもりにしていた…。
だが…、逆に…、私が…、
見せつけられただけだった。
私が、思って居た以上に、お前の倅は
アイツを…あの馬鹿弟子を…、
高い場所に…導いてくれていた。
あの何年も地べたばかり見て、
蹲っていたアイツを…」

「葛葉…、お前は…本当は、
…あげはを…鬼殺隊から
脱隊させたかったんじゃないか?」

「あげはの性格が…、
上に行く邪魔をすると思ってたからな。
剣士としての才能があれど、
その限界をすぐに迎えるだろうし。
伸びる伸びしろを…、導いていた
透真を失えば見失うと思って居た」

「葛葉…、お前は…三上透真と言う…
化け物を育てたかもしれない…が。
お前が育てた…あの、もう一つの可能性は…。
それ以上の伸びしろがある…。
三上透真は…、今も…、彼女を伸ばしている。
あげはが…、杏寿郎を…急激に強くした。
また、それも紛れもない事実だ…」

「だが…、お前の
あの倅が…、あげはを変えた。
閉じていた、あげはの目を開かせた…。
眠ったまま終わる筈だった、
眠れる獅子を目覚めさせた。
何年も目を閉じたままだった、
あげはの目を開かせたのは
杏寿郎である事に違いはない…。
今のあげはも…また、
己の眠って居た時間を取り戻すかのように、
己の限界の先に踏み込んでいる…」

カタン…と立ち上がると

槇寿郎が応接間の戸の前に立つ

その槇寿郎の身体に

あの炎を模した羽織が見えたのは…

それは…私が酒を飲んで酔っているからなのか


「葛葉…、付き合え」

「正気か?槇寿郎。
酔っ払い同士で…、手合わせするのか?」


「良いだろう?これ位付き合え。葛葉。
酒代だ、…出してけ。罰は当たらん」


酒代と言う言葉が槇寿郎の口から出て
僅かに葛葉が表情を変えた

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