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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第78章 待宵月が見下ろすは…罪



言うなれば… 葛葉にとっては…


あげはと三上透真は…

自分の息子と娘の様な物…


不安なのだと…言わないのも

…また…葛葉…らしいか


「そうだと…言えば…、飲むのか?お前は…」

「いや、お前がどう言うまいが言った所で、
今日は…酒が少し飲みたい気分だったからな…」


一度は受け取るのを渋った
葛葉の手の中にあるぐい飲みを
槇寿郎が奪い取る様にして取ると

そのまま ゴクっと喉を鳴らしながら
一気にそれを飲み干してしまって

空になったぐい飲みに酒を満たされる

その…ぐい飲みに満たされた酒に
槇寿郎が視線を落として居て


「どうした?飲まないのか?槇寿郎」

「いや、お前と…こうして酒を飲んでいると…」

「あの頃でも…、思い出すか?…槇寿郎…」


俺がまだ酒に飲み慣れてない頃の
他の鬼殺隊の連中と酒盛りをした時の
思い出話を葛葉がして来て
そうして一緒に酒を飲んで笑っている…
葛葉の横顔を見ていると…

時間が…あの時に…
俺が鬼殺隊をしていた頃にでも

巻き戻ったかのような…
そんな心地のいい…懐かしさを感じていて

「こうして、昔話を
…肴にして…飲む酒も悪くないな…」

そう漏らす様に言った槇寿郎の言葉に
ふふっと葛葉が口の端を曲げて笑う

「それは…、当然だろう。
隣に美人の私が居るからだな…」

「お前は…口が減らんからな…、
黙ってくれていた方が、
幾分見れるな……だが…。
礼を…言うぞ、葛葉…。お前なりに、
俺を気に掛けてくれたんだろう?」

ぐいっと自分のぐい飲みの酒を
葛葉が一気に飲み干してしまって

新しい酒を槇寿郎が注ごうとしたのを
それを上回る速さで
自分のぐい飲みに酒を満たして

ゴクゴクと一気にそれも飲み干してしまった


「べ、別に…、私は…
槇寿郎…お前がッ…、心配で
来たとか…、じゃないからな?断じて、
お前が…腐った様なしけた面してるんだろうと、
その顔を見に来てやったまでだ。そうだ。
そのカビが生えそうな面でも、
酒の肴にしようと思ってな。
これ…は、土産だ…。開けるから飲め」


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