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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第78章 待宵月が見下ろすは…罪



それまで食べている動作を
止めることがなかった
葛葉が食べる動きを止めて一旦
その手に持っていた箸をおくと

「透真を育ててしまったこと、
あげはを…選別に送り出してしまった事…。
自分が…手塩に掛けて育てた、
自分のあのふたりの弟子が…、
鬼殺隊の…命運すらも
握ってしまって居る事も…、
その…大きな流れを持った渦に…、
槇寿郎、お前の倅を…巻き込んだ事も…」

「お前がそんな話をするなぞ…、
明日は雪に決まってる。
千寿郎、望月に言って
屋敷中の酒をかき集めて持って来させろ。
俺は殆ど飲まない、飲むのはこっちだ」

説明らしい説明を聞いたわけじゃないから
千寿郎にはこの状況から
知っている事と繋げて関連付けて
推測する事しかできないが

恐らく…この葛葉と言う名の女性が
姉上を鬼殺隊として育てた育手で
父上が恐れるほど…強いと仰っていた
三上透真…と言う方を…育てた…人…

「はっ、はい。畏まりました。
望月さんに、伝えて参ります」

千寿郎が槇寿郎の言伝を
望月に伝えると
応接間にはどんどんと
大量の酒が運び込まれて居るが

その酒がどんどんと空になるので

自分の父が酒を大量に飲んでいるのは
千寿郎も目にし慣れた光景ではあったのだが


「………どうだ?
飲んで少しは落ち着いたか?葛葉」

「……ぅ…、まだ、だ。
飲み足らん。もっと…飲ませろ…ッ」

「で、でしたら、
お代わりを…用意して参ります」

そう言ってパタパタと
足音を立てながら千寿郎が
お代わりの酒を用意しに行こうとするのを
葛葉が待てと引き留めると

「千寿郎は…、
気が利く…出来た倅…だな…。
もっと、顔を良く見せろ…。
確かに、槇寿郎とも杏寿郎とも、
似てる面構えだが…、母親の血が
強いのか?千寿郎は、柔和な顔をしているな…」

「あっ、あのっ…葛葉…様っ。
その…、余り…その、見つめられてしまっては…」

まじまじと葛葉に至近距離で
顔を見つめられてしまって
千寿郎はどうしたらいいのかと
戸惑ってしどろもどろになって居る

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