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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第78章 待宵月が見下ろすは…罪



葛葉と俺は同期だったが

葛葉の方が 俺よりも早くに柱になって

俺が柱となってからも 

葛葉とはしばらく共に仕事をして居たが


ある任務の折に 葛葉は

…その片目を失って 隻眼となって

鬼殺隊を引退し 育手になった


あの三上透真と言う名のバケモンを

育てた女 それが…俺の知る葛葉だ


客間の戸を開くと

当たり前の様に飯を食っているその女が居て


「おお、槇寿郎か。
悪いが突然だが、邪魔をしてるぞ」


まるで3日前にでも会ったかの様な
軽い感じで 悪いとは言いながらも
悪びれた様子もなく挨拶をして来る


「葛葉…、やはりお前だったか。
俺が今まで文を出しても、
まともな返事らしい返事の一つも寄こさずに
何年も放っておいて、袖にして置いた挙句。
今更、どの面を下げて家に
のこのこと来たんだ?お前は。
まあ、葛葉、お前らしいと言えば、らしいが。
女狐も女狐の中の
元凶の様な存在だな、お前は」


「ん?槇寿郎。
久しぶりにそのしけた面を
わざわざ私が拝みに来てやったと言うのに。
挨拶代わりに、女狐呼ばわりか?結構結構。
女狐とでも、淫売とでも好きに罵って
私の事は呼べばいいぞ。仕方ないだろう?
それが私の仕事だったんだからな。
当然、搾り取れるだけたっぷりと搾り取って
搾り尽くしてやったがな。
払った金には見合って居るはずだぞ?」

損はさせて居ないと言いたげに
自信に満ちた表情で葛葉が言って来て

千寿郎はその葛葉と言う名の客人が
自分の父と随分と親し気なのに驚いたが
ここまでお互いに悪態をつき合う間の
気心の知れた間柄の友人が
自分の父に居た事にも驚いたし

この父に対して遠慮の欠片も無い様な態度で
その自分の父よりも10歳ほど若い女性が
普通に話をしている事に驚いてしまって居た


「あの…、父上…こちらのご婦人…は…?」

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