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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第78章 待宵月が見下ろすは…罪



槇寿郎が木刀を振って
素振りをしていた手を止めると

こちらに向かって
ずっと頭を深々と下げたままの姿勢の
望月の方に視線をちらりと移した


「……」


こちらが手を止めたと言うのに
その下げた頭を望月は上げる様子がなく


「……望月?」

「はい、何で御座いましょう?旦那様」


「ふん…、つまらん。
お前もどうにも、食えん奴だ…な」

「でしたら、この望月は食えずとも…。
食べる事がかないます、朝餉を
お召し上がり下さいませ。旦那様」


ぐいぐいと後ろから背中を押されて

中庭から 居間まで連行されてしまって

何故か そうする望月に
逆らってはいけない気がして

槇寿郎は連れて行かれるままに
居間まで辿り着くと
座布団を清水が用意して
一条と清水に左右から肩を押さえ込まれて

女性である2人に
変にその身体にこちらから触れて
抵抗する…のも許されずに

座布団の上に半ば強制的に座らされると

用意されていた朝餉を食べる様に促されて

正面に並んだ 

望月 清水 一条からの圧を受けて


「……ぅ…ッ。分かった、分かったッ。
そう皆で揃って俺を、睨みつけるな。
食う。食えばいいんだろう?」


その膳の前に座ってみた物の食欲は無く
食べられる様な気分ではなかったが

ズモモモモモと音が聞こえて来そうな程に
前方から恐ろしい程の圧を感じて

「頂き…ます」

そう言って 朝餉に膳に手を合わせて

箸を手にしてはみたが

どれを食べるか迷ってしまって居て

手前にあった 玉子焼きを箸でとると

一口 自分の口に運んで咀嚼する


食べている物の味が良く分からず

飲み込んだ喉につかえるようで
上手く飲み込めずに居た



「ち、父上っ!お待ちになって下さいッ!
お食事をッお召し上がりになられるのでしたら。
私も…っ、食事を、父上と
ご一緒させて頂きたいく…ッあります」

ガラガラっと
大きな音を立てて襖が開くと
そう千寿郎が 自分の膳を持って
慌てた様子でこちらへ入って来て

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