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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第78章 待宵月が見下ろすは…罪




本来なら… 私は

自分の弟子から鬼になった者が現れた事を

自分の腹を切って

育手として詫びるべきだろう



”私”は 炎屋敷を後にした後に

お館様の元へと参上した



本来 私が山を降りたのは

あげはに会う事が目的ではなく…

私と話がしたいとの

お館様からの
直々の御申し出に応じる為だったからだ



ガタガタと物音が聞こえて

ハッっとして我に返ると

鳴門が…戸棚から酒瓶を引っ張り出して居て


私が月を相手にして酒を飲むと言っていたのを…

聞いていたからなのだろうが…


『酒…、飲ム…』

「ああ、そうだな…。飲むか。
今夜の酒の相手は…この待宵月とお前だな」


庵の縁側に腰を降ろして

酒瓶から酒をぐい飲みに移した

それを月に向かって掲げれば


ぐいとそれを一気に飲み干した


「良い月夜だな…、鳴門」


女が一人…月を相手に酒を飲んでいた


そして…場所は違えど


ここにも一人…

縁側に腰を降ろして


月を相手に…酒を飲む…男が一人…



待宵月は静かに


女と男を…見下ろしていた




ーーーー
ーーー
ーー


 


私は瞼を閉じて

お館様のお屋敷での事を思い返していた






『今日は、よく来てくれたね…。
待っていたよ、
葛葉(くずは)…。私の可愛い子…』


『私を可愛い子などと、仰られるのは…。
お館様くらいにございましょう。
それに、年齢を考えましたら、
お館様が私の子でもおかしくはない
そんな、…年齢にございます…。
参上が遅れまして、
申し訳ございません。お館様。
私が庵を、点々と移り住んで居たばかりに、
産屋敷の鴉には、
無駄にその羽を使わせてしまいまして…』



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