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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第78章 待宵月が見下ろすは…罪


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同刻… 某所 山中


とある山の山道を歩く一人の女の姿があった


長い水色の髪の女


見た目こそは 


20代の後半から30代の前半に見えるが


実際のその女の年齢はそんな年齢ではない


陽はすっかりと落ちていた時間だったが…


今夜は 随分と月が明るい

山の木々の間からも 月光が差しこんで

女の進みべき道を照らしてた



「全く…、
私ともあろう者が…何たることか。
ちょっと…あの馬鹿弟子の間抜け面でも
拝んでやろうと思って、
山を降りたまではいいが。
こうも時間を取られるとはな、
この私とて、思いもしなかった物よ。
ついでついでが日も跨いでその上、
ここまで祟るとはな、
私もまだまだ…と言う事…だな…。
それもこれも…皆あやつの所為だ」



そうぼやいてみても

周囲には人気のない山の中から


返事が返って来る事も無く



こんな月が 昇り始める様な時間に


ふらふらと女が一人

山の中を歩いて居れば…


鬼の餌食になりかねないだろうし

鬼でなくても 夜のそれも山道

人気も無い…深い山の中で 女が一人


その姿を見られれば


疚しい事の1つや2つある訳アリなのかだの

若くして気が振れたのだのとでも
思われても当然だろう


女は ふと山道を歩く足を止めて


自分の頭上に輝いている 待宵月を見上げた


夜の闇を照らす様に浮かんでいる

淡い光を放つ 待宵月は


何も言わずにそこに輝いていた



「待宵月…、十四夜の月か…。
いよいよ…、明日…になるか…。
あの、馬鹿弟子と、
槇寿郎の倅を信じるより他にないが…。
あの息子も息子なら、
その父の槇寿郎も槇寿郎。
そんな事を私に言った所で、
私に何が出来ると言うのか…」


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